徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

笹川 五十次(ささがわいそじ)(山形徳洲会病院院長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

笹川 五十次(ささがわいそじ)

山形徳洲会病院院長

2017年(平成29年)12月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1111

医療圏で病床削減が進む厳しい状況
併設施設職員も協力し理念実現に力
奉仕活動に対し日本赤十字社から金色有功章

山形市の人口は約26万人、周辺自治体とともに約50万人の山形都市圏を形成しています。2004年に当院が開院した当時、JR山形駅を中心に半径4㎞以内には、すでに8総合病院が存在していました。当院は他の徳洲会グループ病院と比べ医師のマンパワーが足りず、開設して13年間、常勤医が2桁になったことはありません。

こうした状況下で、できることは、得意分野の疾患を積極的に受け入れることでした。スポーツ整形、神経難病、末期腎不全の診療が比較的整っていたため、この3分野を中心に体制を強化しました。現在、整形外科の大沼寧副院長がチームドクターを務めるプロサッカーチーム「モンテディオ山形」やプロバスケットボールチーム「パスラボ山形ワイヴァンズ」の選手たちが来院。夕診時には、スポーツを愛する学生さんたちも多数来院されます。グループ病院の研修医が一番多く来てくれ、今年は2人がスポーツ整形外科医を志して入職しました。

神経内科は主にALS(筋萎縮性側索硬化症)の診療を行っていましたが、常勤医が退職し、不十分な体制になりました。それでも他科の医師の協力、非常勤の神経内科医や仙台徳洲会病院の応援により、幅広い領域の難病患者さんに対処しています。

神経難病でなくても、人工呼吸器を装着しているため在宅での管理が困難な患者さんを受け入れており、現在、障害者病棟では、つねに20台前後の人工呼吸器が稼働しています。

紹介病院は県下だけでなく秋田県や宮城県などからも

透析患者さんは年々、高齢化し、15年度は慢性腎不全の透析患者さんの平均年齢が67.9歳、透析導入患者さんの平均年齢は69.2歳。要介護の維持透析患者さんの半数以上が独居あるいは2人暮らし世帯で、原疾患が糖尿病性腎症であることが多くなり、医療依存度が高く施設に入所できないのが現状です。当院には90床の医療療養型病棟があるため、医療依存度の高い患者さんを受け入れていて、現在ではすべて維持透析患者さんです。透析登録患者数は200人を超えるまでに増加。紹介病院は県下だけでなく秋田県や宮城県などからもあり、重症で通院ができない患者さんは当院へという流れが生まれています。

病院のイメージアップには医療講演が最も有効です。夜間開催は高齢の方の参加が難しく、日中は常勤医不足で対応できませんでしたが、多くの部署の協力を得て日中も医療講演を行うことができるようになりました。

とくに、日本赤十字社救急法・幼児安全法指導員の資格をもつ地域医療部の樋口秀一主任の「いのちの学習」は好評で、多くの学生や教員に心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使用法の講演を毎月10回程度実施。16年には永年にわたる奉仕活動に対し日本赤十字社から金色有功章が授与されました。

私は時間が取れないため、10年から地元フリーペーパー「やまがたコミュニティ新聞」に月2回のペースで「医学のうんちく」というコラムを掲載しています。同紙の発行部数は15万5000部まで増え、県内最多です。私の専門は泌尿器科のため〝下ネタ〟を中心に掲載していたことから、男性週刊誌の取材を受けたこともありました。最近は少し格調を高くしたため、NHK総合・Eテレなどから取材を受けたこともあります。

「健康友の会」花壇クラブ 3年連続で最優秀賞を受賞

健康フェスティバルは、地元の方々との交流を深めるきわめて重要なイベントです。最近では山形県知事や副知事、山形市長も来られます。14年からは、当院開設時から切望していた山形市での高齢の方へのインフルエンザワクチン助成金を受けています。また、山形市花壇コンクールで、当院の「健康友の会」の花壇クラブが15年から3年連続で最優秀賞を受賞しました。

山形県の「地域医療構想」では、25年までに当院が立地する医療圏域で約1000床の病床数削減が予定されています。現実に17年1月に山形市立病院済生館が1病棟(57床)を閉鎖。今後もこのようなことが起きれば、厳しい時代を迎えます。

当院併設の健康増進・疾病予防施設「ラ・ヴィータ」や近隣の介護付き有料老人ホームの職員たちとも協力し合い、“生命だけは平等だ”の理念の下で患者さん中心の医療と福祉を、ぶれることなく粛々と実践していきたいと思います。

皆で頑張りましょう。

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