徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

増成 秀樹(ますなりひでき)(宮古島徳洲会病院院長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

増成 秀樹(ますなりひでき)

宮古島徳洲会病院院長

2017年(平成29年)8月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1096

離島にいても専門性の高い医療を提供
徳洲会の理念を実践できることに誇り
急性期から終末期まで切れ目ない診療行う

宮古島(沖縄県)は近年、観光客が急速に増加しています。2015年に伊良部(いらぶ)大橋が開通し、テレビなどに取り上げられる機会が増えたためでしょうか。

年間入域観光客数は14年度43.1万人、15年度51.4万人、16年度70.3万人。今年度はさらにプラス20%前後の伸びで推移している模様です。国内の観光客のみならず、海外から大型クルーズ船の入港も急増し、外国人観光客が増えています。ホテルは満室状態が常態化し、応援医師の宿泊先確保も時に苦労することがあります。診療面では、旅行に来られた透析患者さんや旅行中の傷病者の増加に対応しています。

さて、宮古島徳洲会病院ですが、17年5月に非稼働病床9床を稼働させ、合計99床になりました。これで、徳洲会伊良部島診療所から移動した19床をすべてオープンしたことになります。これまでスタッフ不足から十分に活用できていませんでしたが、ようやくすべての病床を稼働することができほっとしています。

当院には3種類の病床区分があります。内訳は一般病床が53床、地域包括ケア病床が10床(今回プラス3床)、障害者病床が36床(今回プラス6床)となっています。

急性期をはじめ回復期、慢性期の病床を備え、さらに在宅緩和ケアを含む在宅医療も行い、急性期から終末期まで切れ目ない診療を行っています。4人と少ない常勤医で、当院と伊良部島診療所をやりくりしており、医師の負担を軽減するため、医師事務作業補助員を充実させ対応しています。

在宅医療の充実に向けてスタッフの意識を高める

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる「2025年問題」では、医療・介護の負担と給付が大きな課題となります。今後10年間で、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、これまで経験したことのない「超・超高齢社会」を日本は迎えます。

2025年問題に向けた宮古圏域の課題として、回復期病床不足があります。厚生労働省の算出した25年病床機能別必要病床数のうち、回復期は118床とされていますが、現在、圏域の回復期病床は当院の10床(地域包括ケア病床)のみです。

脳血管疾患などの回復期リハビリのために、島外の病院へ転院される患者さんもおられます。今後、島内で密度・期間ともに十分なリハビリが受けられるよう地域包括ケア病床のさらなる充実が必要です。そのためには求められる在宅復帰率を満たすべく、スタッフの在宅医療・看護・介護に向けた意識の向上を今後高めていく必要があります。

当院の3つの区分の病床にはそれぞれ施設基準があり、これらを満たしつつ、入退院・転棟のやりくりをしています。このベッドコントロールは複雑で大変ですが、看護部、医療ソーシャルワーカー(MSW)、医局の三者が協力し行っています。この8月には南部徳洲会病院(沖縄県)から国吉恵美(くによしえみ)・看護部長を迎え、看護部が一層充実していくと思います。

当院は開院時より、多くの外来応援を継続的にいただいています。毎月、中部徳洲会病院(同)から心臓血管外科と循環器内科、石垣島徳洲会病院(同)から外科。ほかの病院からは、皮膚科、形成外科、整形外科の先生方に来ていただいています。また、毎週、岸和田徳洲会病院(大阪府)から内視鏡の応援もいただいています。

離島にありながら、患者さんに専門性の高い医療を提供でき、とても感謝しています。「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」という徳洲会の理念が宮古島、伊良部島でも実践できていることに、一職員として誇りを感じます。

老子の『道徳経』の一節にリーダーのあり方を学ぶ

「太上(たいじょう)は下之有(しもこれあ)るを知るのみ。其(そ)の次は親しみて之を誉め、其の次は之を畏(おそ)れ、其の次は之を侮(あなど)る」。老子の『道徳経』の一節です。意味は、最良の君主は(余計なことをせず)民に存在を知られるのみ。次善の君主は(仁政(じんせい)を行い)民に親しまれる。その次の君主は(厳格な政治で)民に畏れられ、最悪は(乱暴な政治で)民に馬鹿にされるというものです。

院長職を拝命し2年が経過しました。リーダーのあり方について、勉強の日々が続きます。これからも離島医療に少しでも貢献できるよう職員一同、力を合わせて努力していきたいと思います。皆で頑張りましょう。

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