
直言
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直言 ~
堀 隆樹(ほりたかき)
成田富里徳洲会病院(千葉県) 院長
2026年(令和8年)08月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1557
2025年11月に成田富里徳洲会病院の院長に就任いたしました。当院は15年に開院し、10周年という節目を迎えましたが、私は13年から千葉県内の徳洲会グループ病院である千葉西総合病院に勤務し、成田富里徳洲会病院の開院当初には外来診療も担当していました。そのようなご縁のある病院で、院長という大役を担うこととなり、大変光栄に感じています。
着任して10カ月と、まだ間もないため、現在、病院の現状を分析しているところですが、当院は敷地規模が大きく余裕があるため、今後さらに病床を増やせる可能性を秘めています。新たな病棟を稼働させ、より多くの地域の患者さんを受け入れられる体制を整えることが、自分に課せられた使命だと考えています。
その実現には、病棟で活躍する看護師や病院全体の診療力を高める医師など、人材の確保が欠かせません。当院は医療設備が充実しているからこそ、これからは「人」への投資を何より大切にしていきたいと思っています。
人が集まる病院にするためには、職員一人ひとりが協力し合い、楽しく働ける職場づくりが重要です。学校へ行くことを楽しみにする子どものように、患者さんも職員も「行くのが楽しみになる病院」が私の理想です。
以前、鎌ケ谷総合病院で院長を務めていた際、離職を減らし、職員に選ばれる新たな病院になるためには、何が必要かを考えました。院内ですれ違う人が笑顔で挨拶を交わす病院と、声を掛けても反応が少なく、雰囲気の重い病院とでは、どちらで働きたいと思うか、明らかです。
そこで、鎌ケ谷総合病院では、挨拶を大切にする文化づくりに取り組みました。最初は練習から始めましたが、続けるうちに自然と言葉が交わされるようになり、職員同士の関係も良くなりました。その変化は患者さんにも伝わり、「またこの病院に来たい」と言ってくださる方が増えていきました。また、院内の吹奏楽クラブなどの活動を通じ、職員同士が交流する機会も設けました。私自身も演奏に参加し、職員と気軽に話し、一緒に楽しめる時間を大切にしてきました。成田富里徳洲会病院でも、こうした交流の輪を広げていきたいと考えています。
私は、“患者ファーストは職員が守られてこそ実現できる”ものだと考えています。病院は病気を治療するだけではなく、患者さんの心にも寄り添い、心身ともに元気になっていただく場所です。そのためには、まず職員一人ひとりが大切にされ、安心して働ける環境が必要です。
人は無理を続けると、心身ともに疲弊してしまいます。だからこそ、心が壊れてしまう前に手を差し伸べ、「自分は守られている」と感じてもらえる職場でありたいと、私は思っています。職員は皆、病院という家族の一員です。その職員一人ひとりが患者さんや地域の皆さんにも家族のように接し、「あの先生に会うと安心する」、「あの看護師さんに、また会いたい」と思っていただける医療を目指していきます。
これまで培ってきた経験や知識、人とのつながりを生かし、成田富里徳洲会病院の診療体制をさらに充実させるとともに、地域の救急医療にも貢献していきたいと考えています。
当院が立地する千葉県の印旛医療圏では住民の高齢化が進んでおり、身体への負担が少ない低侵襲治療の重要性が高まっています。当院は18年に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しましたが、26年7月からは消化器外科でのロボット手術も始まりました。また、成田市や富里市など9市町を抱える広い医療圏を支えるためには、ひとつの病院だけではなく、地域の医療機関が互いに連携し、それぞれの役割を果たすことが不可欠です。7月から始まった自院救急車でのお迎え搬送も好評を博しています。
当院着任後は「ありがとう月間」として、朝礼で職員同士が「ありがとう!」を伝え合う取り組みも始めました。感謝の言葉を交わすことで、自然と笑顔が生まれ、職場全体が明るい雰囲気になります。この笑顔と感謝の気持ちを大切にしながら、職員一同、患者さんや地域の皆さんを家族のように温かく迎えられる病院を目指してまいります。皆で頑張りましょう。