
直言
Chokugen

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直言 ~
乘富 智明(のりとみともあき)
医療法人徳洲会 専務理事 日鋼記念病院(北海道) 院長
2026年(令和8年)08月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1555
徳洲会グループの皆様、いつも当院へたくさんの応援をいただき、ありがとうございます。去年11月に徳洲会グループに参入した当院ですが、本年3月末の大学外科教室からの派遣打ち切りを受け、徳洲会グループから外科チームが派遣されました。まず、3月21日に私が当院に赴任し、引き継ぎを受け、同24日に大学外科教室派遣医師が引き上げ、同25日より徳洲会外科チームとしての活動が始まりました。外科チームの内訳は、私を含め2人が福岡徳洲会病院の外科から常勤として赴任、それに全国の徳洲会グループから交代で派遣される応援医2人を加えた外科4人体制でのスタートでした。
現在、徳洲会外科チームとして当院(“日鋼病院”として地元では親しまれています)で活動を開始し、3カ月が経過しましたが、本稿では、この3カ月を振り返り、今後の徳洲会グループの要支援病院に対する医師派遣と診療支援体制について考察します。
日鋼病院における外科の守備範囲は広く、一般消化器外科、乳腺外科に加え、救急センター(ER)の救急初療、透析センター、緩和医療、健診センター業務など多岐にわたります。毎日、外科チーム4人で手分けし何とか対応できていますが、患者さんが多いので時々手が足りなくなります。また専門領域においては各領域の専門医の支援もいただいています。透析シャント関連は日鋼病院外科で対応しますが、内科的管理は毎月1回、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の腎臓内科より応援をいただいています。また、日鋼病院は乳がん患者さんが多いので、徳洲会乳がん部会にお願いし、毎月3回の乳腺専門外来を分担していただき、6月より乳腺外科手術も再開しました。術後管理と化学療法は乳腺専門医の指導の下、日鋼病院外科常勤医が行う体制に落ち着きつつあります。また、6月からは名古屋徳洲会総合病院心臓血管外科より常勤医1人を派遣していただき、透析シャント手術、下肢静脈瘤を始めとした末梢血管外科手術も増え始め、7月には同院の支援を受け心臓外科手術も開始しました。
このように少しずつ内部の状況が変化してきたので、7月から徳洲会グループ外科応援は1人に縮小し、ERの応援を福岡徳洲会病院の外科と救急科から1週間交代で1人派遣していただくことになりました。さらに健診業務も鹿児島徳洲会病院と福岡徳洲会病院から毎月2枠ずつの応援をいただけるようになり、体制が整いつつあります。おかげで外科の手術件数は毎月、右肩上がりで増加しています。
こうしたことから日鋼病院の外科の再構築においては、外科チームの核となる常勤医がいて治療方針決定の責任を負う、そこに全国のグループ病院から短期で交代する応援医を派遣して業務を分担し回す、さらに専門領域は専門医の指導を受けながら常勤医が維持するといった体制がうまく機能し始めています。
今回の日鋼病院外科の再建計画は、医療法人徳洲会の東上震一理事長の大号令の下、福田貢・副理事長が立案された綿密な計画と大阪本部、東京本部両拠点の事務管理部門の尽力により実現しました。また、専門診療支援においては各領域の診療部会の協力を得て、まさにグループ全体を挙げての支援となっています。支援先の病院に長期滞在する常勤医が「司令塔」となり、交代で短期間派遣される応援医と協力し業務を回すというスキームが、日鋼病院へ外科常勤医が人事異動したおかげで、うまく機能しました。
今後もグループ内で支援を必要とする病院へ医師を絶え間なく派遣するためには、「徳洲会のために働ける医師」の確保が重要です。若い医師が徳洲会で育ち、医師としてのキャリアを積み重ねていけるよう、卒後教育や臨床トレーニングの場をもっと充実させる努力が必要でしょう。また、医師としてのキャリアアップの過程には、一定期間のグループ病院支援の人事異動も含まれるような発想の転換がありかも知れません。日鋼病院は外科以外にも循環器内科、麻酔科に関し北海道ブロックのみならず、東京本部や専門部会からの支援もいただいています。皆様、本当にありがとうございます。困難だらけの日鋼病院ですが、職員たちの士気は高いです。皆で頑張りましょう。