直言

Chokugen

石垣島徳洲会病院(沖縄県) 院長
小畑 慎也(こばたしんや)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

小畑 慎也(こばたしんや)

石垣島徳洲会病院(沖縄県) 院長

2026年(令和8年)06月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1548

「常に挑戦し続ける」ことを大切に
「患者満足」と「職員満足」も追求
新しい知識や技術を取り入れ離島医療を進化

当院は一般病床52床、介護医療院48床を有する日本最南端の徳洲会病院で、地域医療と介護を支える重要な拠点となっています。近年、石垣島では高齢化の進行や医療ニーズの多様化により、入院・入所される方が増加しています。私たちは日々、「島民の健康と生活を支えている」という責任の重さを実感しながら、診療にあたっています。

私は初期研修医として中部徳洲会病院(沖縄県)に入職し、救急総合診療部および循環器内科で研鑽を積みました。そして2025年度より、この歴史ある当院の院長を拝命しました。これまで現場で培ってきた経験を最大限に生かし、この素晴らしい石垣島で、より質の高い医療を提供できる体制づくりに取り組んでいます。

島内の医療ニーズを見据えて PCIなどカテーテル治療開始

私がリーダーとして最も大切にしているのは、「常に挑戦し続けること」です。東上震一理事長をはじめ沖縄ブロックの伊波潔・専務理事が「現状維持は衰退である」という言葉をよく口にされます。医療を取り巻く環境は常に変化しており、離島だからという理由で現状に満足していては、前進することはできません。地域の皆様に、より良い医療を届けるためには、常に新しい知識や技術を取り入れ、医療を進化させ続ける必要があります。

その挑戦の一つとして、当院ではPCI(経皮的冠動脈形成術)やEVT(血管内治療)といったカテーテル治療を開始しました。これまで島外での治療が必要だった患者様に対し、島内で治療を受けていただける機会が増えています。また、側視鏡も導入し、消化器疾患に対する検査・治療体制の充実も進めています。今後も地域のニーズを見据えながら、新たな医療提供に挑戦してまいります。

しかし、質の高い医療は設備や技術だけで実現できるものではありません。私がもう一つ大切にしているのが、「患者様の満足」と「職員の満足」です。この二つは決して別々のものではなく、密接につながっています。職員がやりがいを持ち、働きやすい環境で力を発揮できてこそ、患者様に、より良い医療やケアを提供できます。そのため、当院では院内コミュニケーションと教育に力を入れています。小規模病院だからこそ、部署間の距離が近く、職種を超えた連携が取りやすいという強みがあります。院内イベントや勉強会を通じ交流を深め、職員一人ひとりが医療を支える当事者という意識を持てる組織づくりを目指しています。また、教育を通して成長を実感し、自ら考え行動できる自立した人材を育成することも重要だと考えています。

私は子どもがサッカーをしている影響もあり、サッカーが大好きですが、元日本代表監督の岡田武史さんの組織論に深く共感しています。岡田さんは「良い結果を出すチームは、目的に向かって一致団結し、その結果として仲が良くなる。一方で、最初から仲の良さを目的としたチームは良い結果を生まない」と語っておられます。

病院も同じだと思います。私たちが目指すのは、単なる仲の良い組織ではありません。医師、看護師、コメディカル、事務職の全員がそれぞれ専門性を発揮し、責任を果たし、互いを尊重し合う組織です。時には厳しい議論や指導も必要ですが、その先にこそ信頼関係が生まれ、心理的安全性の高い強いチームが形成されると信じています。

かりゆし病院の徳洲会入りにより 島の医療を支える将来構想実現へ

現在、当院は未来に向け大きな一歩を踏み出しています。同じ石垣島にある「かりゆし病院」が徳洲会グループ入りしてくださり、将来的に一つの病院としてまとまる新病院計画が進んでいます。これが実現すれば、急性期医療から回復期・慢性期医療、そして介護までを切れ目なく提供できる、島の医療を支える大きな基盤が整います。

私たちの原点は、徳洲会の理念である“生命だけは平等だ”の精神です。この理念を実践するため、離島という環境の中でも日々努力している職員の皆さん、そして応援に駆け付けてくださる徳洲会グループ各病院の皆様に、心より感謝申し上げます。これからも島民の皆様が安心して最善の医療を受けられるよう、職員一丸となって挑戦を続け、地域に必要とされる病院づくりをすべく、明るく、楽しく、前向きに、全力で取り組んでまいります。より良い未来に向け皆で頑張りましょう。

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