直言

Chokugen

医療法人徳洲会 常務理事
神戸徳洲会病院(兵庫県) 院長
尾野 亘(おのわたる)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

尾野 亘(おのわたる)

医療法人徳洲会 常務理事 神戸徳洲会病院(兵庫県) 院長

2026年(令和8年)05月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1543

地域の方々と顔の見える関係を築く
信頼される医療の土台になると確信
安全で安心な医療を病院全体で支え合う

当院は、これまで医療の質と安全性の向上に継続して取り組んでまいりました。現在はその取り組みがさらに深まり、医療安全が単なる「仕組み」ではなく、職員一人ひとりの行動の中に根付き始めているのを実感しています。

医療を取り巻く環境は年々、複雑化し、安全で安心な医療を提供するためには、個々の技術だけでなく、病院全体で支え合う体制づくりが欠かせません。当院では多職種での情報共有やインシデント(ヒヤリ・ハット)の振り返り、継続的な職員教育を積み重ねながら、「より安全な医療を届ける」という共通の認識を育んでまいりました。

病院機能評価取得はより良い 病院づくりの新たな出発点に

その一つの成果として、昨年9月に病院機能評価(3rdG:Ver.3.0)を受審し、認定を取得しました。この認定は医療の質や安全性、病院運営などについて、第三者機関から評価を受けるものです。今回の認定は、これまで積み重ねてきた取り組みが評価された結果であると同時に、今後さらに良い病院づくりを進めていくための新たなスタートだと考えています。

私たちは、この認定を「取得して終わり」にするのではなく、日々の診療や業務の中で改善を積み重ねながら、「安全を大切にする文化」をさらに育てていきます。医療安全は一部の部署だけの役割ではなく、病院で働くすべての職員が関わる大切なテーマです。その意識が少しずつ病院全体に広がってきていることを現場で感じています。

今後、当院は「高齢者救急」と「小児・周産期医療」を大きな柱とし、地域に密着した総合病院としての役割をさらに強化してまいります。高齢化が進む中、救急医療の需要はますます高まっています。また、安心して出産や子育てができる地域づくりも非常に重要です。当院は地域の方々が安心して暮らせる医療体制づくりに、これからも積極的に取り組んでいきます。

さらに将来を見据え、今後2〜3年で臨床研修指定病院の取得を目指します。若い医師が集まり、学び、成長できる環境を整えることで、病院全体の活気や医療の質の向上にもつなげていきます。活気ある医局づくりは、地域医療を将来にわたって支えていくためにも大切な基盤になるはずです。

また、地域貢献の取り組みとして、介護施設に入居されている急病の患者さんを当院の救急車でお迎えに行く活動も行っています。介護施設では、急変時の対応や搬送に苦労される場面も少なくありません。当院では13人の救急救命士が院内外で積極的に活動し、施設スタッフの方々と連携しながら対応を行っています。

現在、この搬送件数は年間約500件に上り、年々増加しています。今後は年間1,000件を目標に、さらに体制を強化していく予定です。介護施設の方々からは、「迅速に対応してもらえて安心できる」、「少ないスタッフでも対応しやすくなった」など、多くの温かい声をいただいています。当院が地域の介護や福祉を支える一員として、少しでもお役に立てれば幸いです。

初めて「健康フェスタ」を開催 地域の方々が集い雰囲気温かく

そして今年5月10日には、神戸徳洲会病院として、開院40年目にして初めてとなる「健康フェスタ」を開催しました。医療講演、健康測定、子ども向け体験企画などを通じ、地域の方々に医療をより身近に感じていただける機会となりました。当日は310人の地域住民の方々にご参加いただき、会場は終始、温かい雰囲気に包まれていました。病院は「具合が悪い時に行く場所」だけではなく、地域の方々と日頃からつながり、安心を共有できる存在でありたい――そのような思いを、あらためて職員一同、共有する機会にもなりました。

私たちは、地域の方々と顔の見える関係を築くことこそが、信頼される医療の土台になると考えています。こうした交流を積み重ねながら、地域に開かれた病院として、より一層信頼していただける存在を目指してまいります。

これからも当院は、「安全で信頼される医療」を大切にしながら、地域の方々に必要とされる病院づくりに邁進していきます。引き続き、徳洲会グループ内外の医療関係者各位には、ご指導とご連携を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、地域の方々、患者さんに、安心してご利用いただけるよう、全職員が一丸となって努めてまいります。皆で頑張りましょう。

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