直言

Chokugen

医療法人徳洲会 理事長
一般社団法人徳洲会 理事長
東上 震一(ひがしうえしんいち)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

東上 震一(ひがしうえしんいち)

医療法人徳洲会 理事長 一般社団法人徳洲会 理事長

2025年(令和7年)06月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1494

大きい夢には大汗・大いなる希望には必死の努力を
事業計画を達成して徳洲会の成長を確固たるものに
今あらためて「夢・希望・ロマン」を問う

「計画」とは単なる「現実」の写し絵であってはならない。今期の事業計画について、各病院三役など幹部の皆さんに言いますが、とくに利益率が「現実的すぎるのではないか」という思いがします。利益率4.7%。確かに今の厳しい医療環境、物価高騰や人件費上昇を踏まえれば「病院運営の現実」を表す数字なのかもしれません。しかし、敢えて問います。これで本当に「徳洲会の計画」に値するのかと。

目指すべき姿・達成したい未来 「夢」が織り込まれるのが計画

計画には目指すべき姿、達成したい未来、すなわち「夢」の部分が織り込まれるべきです。単に今の状況を維持する、あるいは少しだけ上積みするということは、もちろん必要ですが、それだけでは何かを訴え、胸を高鳴らすものはなく、未来を切り開く力も生まれません。

徳洲会が、ただの病院グループではないことは、皆さんが一番ご存知のはずです。“生命だけは平等だ”。この簡明な揺るぎない理念の下、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会の実現」を目指し、私たちは活動してきました。これは単なるビジネスではありません。医療という手段を用いた壮大な社会運動です。病に苦しむ一人でも多くの人を救い、幸せにするために、私たちは存在しているのです。社会運動である以上、その目的は利益の最大化ではありません。もちろん、安定した事業運営のためには健全な財務状況、すなわち利益が不可欠です。新しい医療機器の導入、施設の新設・増改築、そして何より共に働く仲間の処遇改善や育成。これらすべてに財源が必要です。利益は活動を継続し、さらに発展させていくための「手段」なのです。しかし、この手段を目的と履き違えてはなりません。

今期の利益目標が、単に過去の実績や現在の状況から導き出された現実的な数字に落ち着いているのだとすれば、それは計画として、あまりに寂しいものです。なぜなら、そこに私たちの夢――病に苦しむ人をもっと救いたい、離島・へき地にも都市部と同じ医療を届けたい、世界の医療に貢献していきたい――という強い思いが、十分に乗せられていない可能性があるからです。

計画には背伸びをする部分があっていい。いや、むしろ背伸びをしなければ、徳洲会としての真価を発揮できないのではないでしょうか。「無理な努力、無駄な努力、無茶苦茶な努力」。この言葉は常識的な思考や現実的な数字だけにとらわれるな、という徳田虎雄・名誉理事長からの強烈なメッセージでした。不可能と思われる高い目標を掲げ、それに向かって全身全霊で取り組むからこそ道は開ける。それが徳洲会イズムの本質だと、私は信じています。

今期の事業計画を単なる現実の追認ではなく、徳洲会の未来を切り開くための「挑戦の計画」として、皆で血の通ったものに変えていきたいと考えています。その挑戦を通じて、医療人として自らの成長を自覚し、徳洲会グループ全体の発展をも実感できるようになるはずです。今、医療界は不況と、それにともなうM&Aを中心とした病院再編の嵐の中にあります。この嵐を千載一遇の好機ととらえ、地に足をつけたグループ運営により、成長という形で乗り切っていく決意です。

具体的には各ブロックに600床を超える名実ともに中心病院となる施設をつくる計画です。北海道では札幌、札幌東病院の統合も視野に入ります。東北では仙台病院が中心病院として成長し、関東の千葉西、湘南鎌倉病院、関西の宇治病院、九州の福岡病院は、さらに巨大化し、今以上に仲間病院を助ける必要があります。沖縄では南部病院に、がん治療を専門に行う先端医療センターを新設する計画です。大学病院に相当する質と大きさをもった徳洲会病院を各ブロックに整備していくことが、近々の目標になると考えています。まだまだ先は長いです。

「疾風に勁草を知る」という言葉 まさに徳洲会の成長の過程を指す

「疾風に勁草を知る」という言葉があります。嵐が吹き荒れる時になって、はじめて強い草の真価がわかるという意です。徳洲会は成長の過程で幾多の困難を乗り越えてきました。まさに勁草として成長してきたのです。下ばかり見ていては、大志を抱けません。向上したいと本心から望むのなら、顔を上げ、前を向かなければなりません。

徳洲会の飛躍を信じ、皆で頑張りましょう。

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