徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

TOKUSHUKAI INTERNATIONAL 
Medical Check-up OSAKA(TIMC OSAKA) 院長
横井 良明(よこいよしあき)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

横井 良明(よこいよしあき)

TOKUSHUKAI INTERNATIONAL Medical Check-up OSAKA(TIMC OSAKA) 院長

2024年(令和6年)11月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1468

医療へのニーズはその時代で大きく変化
重篤な疾患を回避する予防医療へシフト
個別化した健診サービスは将来性があると実感

長年勤務した岸和田徳洲会病院を6月に退職し、大阪・梅田に新設された健診施設に就職させていただきました。岸和田病院では循環器内科の発展に邁進しましたが、あっという間の40年間でした。徳田虎雄・名誉理事長、東上震一理事長をはじめ多くの徳洲会の方にお世話になり、今日の私があることをつくづく実感する昨今です。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

健康寿命の延伸こそが今 最も望まれ成長する分野

私が新たにチャレンジする場は、8月にオープンしたTOKUSHUKAI INTERNATIONAL Medical Check-up OSAKAです。主に訪日外国人を対象とした新しいコンセプトの健診施設で、JR大阪駅西口に直結したJPタワー大阪ビル内という好立地にあります。徳洲会グループは救急医療をはじめ地域に根差した診療や、個々の患者さんに応じた医療サービスを全国に展開し、地域の各病院の診療形態をも変容させ、日本の医療に大きな貢献を果たしたことは紛れもない事実です。

ただ医療は日々変化し、また医療者側も時代に応じた変革が求められています。治療としての医療サービスは、まだまだ足りないところもありますが、国民皆保険でもあり、ほぼ充足されるようになってきました。また治療学の進歩は著しく、遺伝子医療、免疫療法なども日常臨床に応用され、再生医療が現実になってくると、治療学の完成という未来も遠くないように思えます。

これまでの症状が出てからの医療ではなく、重篤な疾患にかからないようにする予防医療へとシフトしていくことが予想されます。よく言われる健康寿命の延伸こそが今、最も望まれています。これからは疾病予防、生活指導、医療コンサルタントなど、個々人のニーズに応じた医療サービスの提供が必要とされる時代です。一般的な健診では、受診者個々のニーズに応じた検査や医学的コンサルタントは、十分なされていないのが現状です。このような個別化した医療サービスが、わが国でも伸びていく分野と考えられ、今回のTIMC OSAKAの開院に至りました。

受診者の方に対しては、詳細な健診を1日で終えるようにしています。主に基本的な健診と、そのうえで消化器コースか心臓コースを選んでいただきます。また受診者には「今、健康で一番気になる点は何か」、また病院受診者には「治療で心配なことは何か」など、各個人の希望を丁寧に聞くようにしています。基本的な検査は一般的な健診と大きく異なりませんが、各種のエコー(心臓、頸動脈、下肢動脈、下肢静脈、腹部、甲状腺、乳腺)に加え、頭部MRI(磁気共鳴画像診断)、胸腹部CT(コンピュータ断層撮影)、DWIBS(全身がん検査)、心臓MRIなどを行っています。

グループからの支援体制に感謝 私のチャレンジはまだまだ続く

宇治徳洲会病院の中村亨副院長のグループのサポートで、先端的な歯科検診も基本検査として組み入れています。必要であれば健診後に歯科治療を行うことも可能です。消化器コースの内視鏡検査は、神戸徳洲会病院の尾野亘院長のチームのサポートで、上下部の内視鏡検査を1日内に行っています。日本の高い内視鏡技術は、多くの方の受診目的になっているようです。これらの検査を1日で終え、それぞれの専門家が受診者の部屋に赴いて、画像を供覧しながら結果説明をしています。最後に、その方の健康相談、専門医の受診が必要な場合の病院紹介、その予約なども行っており大変喜ばれています。

すでに開院から3カ月が過ぎ、中国、モンゴル、ロシア、香港、ドバイなどからの方々を診させていただきました。日本の医療レベルが高いこと、多くの有名病院があることは、すでに知っておられます。多くの方が来年も受診を希望されており、異なった健診コースも考えたいと思います。受診者の国の病院では、全身のスクリーニングは行われておらず、症状に応じた医療のみがなされているのが現状です。また医師の説明不足、セカンドオピニオンの聞きづらさは、どの国も同じであり、このような個別化した健診サービスは将来があると感じ始めています。

このように医療に対するニーズは、その時代で大きく変化します。固定した医療ではなく、時代に即した方向に素早く転換していく姿勢が医療者全員に求められるのではないでしょうか。私のチャレンジはまだまだ続きます。

皆で頑張りましょう。

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