直言

Chokugen

医療法人徳洲会 副理事長
名古屋徳洲会総合病院 総長
大橋 壯樹(おおはしたけき)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

大橋 壯樹(おおはしたけき)

医療法人徳洲会 副理事長 名古屋徳洲会総合病院 総長

2024年(令和6年)10月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1464

質の高い臨床研究発表し医療の発展へ
学術論文を通じたブランド力の向上も
全職種が内外で交流し標準・最新治療を推進

9月14日から2日間、神奈川県の湘南国際村センターで、徳洲会主催の「第2回徳洲会国際心臓血管セミナーin葉山」が開催されました。同セミナーは都会の喧騒を離れ、相模湾越しに富士山を望む絶景の中で、循環器医療に関する知識を深めるのが目的です。

今回のテーマは「心臓弁膜症と不整脈」で、会場に延べ284人、オンラインで延べ586人が参加しました。初日は徳洲会グループの循環器・心臓血管外科の医師12人によるプレセッションが行われました。グループの循環器医療の現状を共有でき、グループの一体化を図ることができました。なかでも、徳之島徳洲会病院の田代篤史副院長による「離島のハンデを克服する循環器医療」という発表は、離島でのカテーテル治療の最新事例を紹介し、徳洲会らしい実践的で意義深い内容でした。

本セッションでは米国、中国、インドネシアから7演題、徳洲会11演題、国内の医師5演題が披露されました。特別セッションでは千葉西総合病院の三角和雄院長を座長に、湘南鎌倉総合病院の齋藤滋・心臓センター長が「HBDと、その新規デバイス発展における役割」と題し、国際的な交流による最新カテーテル治療の講演を行い、セミナーの最後を華やかに締めくくりました。セミナーを通じ、最新の知見が国内外で共有され、徳洲会グループの循環器医療の高度な専門性と、その厚みがあらためて感じられました。

徳洲会の強力な組織力により 大規模セミナーの開催を実現

このような大規模セミナーの開催は、徳洲会の強力な組織力によるものであり、世界の循環器医療の発展に貢献するとともに、グループの医療レベルやブランド力の向上、教育や優秀な人材のリクルートに大いに資するものです。各グループ病院も地域の医療関係者に広報することで、自院のブランド力向上につながることが期待されます。

また、7月に東京国際フォーラムで開催された武蔵野徳洲会病院の桶川隆嗣院長主導の「Tokushukai Robotic Uro-logy Seminar」も成功を収め、徳洲会のロボット治療に対する評価が一層高まりました。来年の第2回では、心臓外科や消化器外科など全分野でのロボット手術セミナーが予定されており、徳洲会が日本のロボット手術を牽引していくことを目指しています。

さらに、今年11月にはインドネシアで、ハラパンキタ循環器病センター主催の「ハートセミナー」が開催され、湘南鎌倉病院の齋藤・心臓センター長がカテーテル治療、千葉西病院の中村喜次副院長がロボット心臓手術について特別講演を行います。札幌東、岸和田、福岡病院をはじめとする徳洲会病院の中堅の心臓血管外科・循環器内科の医師や看護師も参加し、ハラパンキタとの交流を深め、双方、現場レベルでの医療技術の発展を目指します。

私は、がん診療は専門外ですが、徳洲会オンコロジー(腫瘍学)プロジェクトの担当理事となり、同プロジェクトが、徳洲会グループが蓄積した膨大なデータを活用し、新たなエビデンス(科学的根拠)の構築を模索していることを知りました。徳洲会のリアルワールドデータ研究では、臨床で得られた膨大な診療データを基に、多くの論文が国内外の医学ジャーナルに掲載されており、誇らしく思います。

学術論文というと、大学や学会がその評価を重視するがゆえに、不正行為や盗用が行われることがあり、負の印象を抱くこともあります。しかし、世界の医療の進歩は、正しい学術論文が着実に積み重ねられてきた結果であることは事実です。真に価値ある論文は、優れた知見をもつ査読者によって厳重かつ公正に認められ、発表後も継続的に評価され、その成果がガイドラインや標準治療の指針となっていきます。

論文発表をとおし教育や リクルートに力を入れる

私たちは論文の数ではなく、質の高い有益な臨床研究を発表し、医療の発展に寄与する必要があります。また、学術論文を通じ、医師を含む職員の教育やリクルートに力を入れ、同時にブランド力を高めることも重要です。

学術論文の成果は、エビデンスとなった一つひとつの症例を真摯に診療した職員の成果でもあり、その職員に対し尊敬と感謝をもって、第一に評価することを忘れてはなりません。最新技術と知識を有する医療グループとして、今後も第一線で働くすべての職種が内外で交流し、標準治療や最新治療を推進すべく、皆で頑張りましょう。

PAGE TOP

PAGE TOP