
直言
Chokugen

Chokugen
直言 ~
兼城 隆雄(かねしろたかお)
宮古島徳洲会病院(沖縄県) 院長
2023年(令和5年)09月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1408
今年4月に当院院長を拝命しました。その前は、南部徳洲会病院で12年間、外科を担当していました。同院への配属は、琉球大学第二外科からのローテーションによるもので、これまでも、多数の沖縄県内の病院を2~3年ごとに転勤していました。同院に赴任後、大腸内視鏡検査も習得しながら、多くの消化器疾患の手術、および進行がんの全身化学療法を経験しました。とくに同一病院で長期間、化学療法の経験ができたことで、抗がん剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬の上市に連れ、進行再発がんの余命延長を実感できました。
同院派遣3年目に、赤崎満先生(現・総長)から入職のお誘いがあり、喜んで入職の決心をさせていただき、同院で定年を迎えるまで働くつもりでした。入職10年目より、研修委員長という責任ある役職も経験させていただきました。病院における研修医の存在の重要性をあらためて痛感でき、研修事務担当の強力なサポートの下、研修医が成長していく姿に触れ合うこともできました。2022年11月には、卒後医師臨床研修プログラム責任者養成講習会も受けました。
ところが、その直後の12月、宮古島徳洲会病院の院長就任を打診されたのです。しかし、南部徳洲会病院からの異動にともなう外科担当患者さんの引き継ぎや、院長業務に対する不安もあり、すぐには返事ができませんでした。しばらくして、外科応援をいただけることとなり、宮古島徳洲会病院の院長職を引き受ける意が固まりました。
宮古島については、琉球大学第二外科から派遣され、県立宮古病院で1998年4月から2000年3月まで、2年間の勤務経験がありました。外科5、6年目でしたが、その前に赴任していた病院が胸部外科(肺がん)中心の病院であり、県立宮古病院は消化器外科を初歩から学んだ場所で、今日の消化器外科の基礎を身に付けたという思いもあり、宮古島徳洲会病院への赴任に際しては、運命的なものを感じました。
宮古島に来て気付いたのは、以前赴任していた時以上に、島全体がきれいなエメラルドグリーンの海に囲まれ、医局の窓越しから毎日、その海を鑑賞できる喜びがあることです。島全体の発展もあり、日常生活用品、電化製品などを販売する店舗の品ぞろえの充実はもとより、観光客の増大にともなうリゾート施設の発展に目を見張るものがあります。
当院は全99床(急性期病床53床、地域包括ケア病床10床、身体障害者病床36床)を有しており、健診センターでの特定健診や人間ドックも行っています。当院の健診および人間ドックの受診者は年間5,000人前後で、島内最大規模を誇ります。上部消化管内視鏡検査も健診としては島内最多件数で、健診から診断した上部消化器がんに対する内視鏡的粘膜下層剝離術が、岸和田徳洲会病院消化器内科の応援によって可能になっています。離島でも低侵襲の先端的な治療が受けられることは、特筆すべきことと思われます。
宮古島は離島にしては人口が多く5万5,000人規模です。県立の大規模急性期病院があるため、当院は唯一の救急受け入れ病院ではありませんが、時々、救急搬送が集中する場合もあります。入院患者さんは高齢者の割合がかなり高く、入院後のリハビリ、および退院後の回復期リハビリ病院、介護施設などへの調整が必要なことも多いです。当院は合計6人の常勤医に加え、協力型臨床研修指定病院となっているため毎月5~6人の2年次初期研修医、1人の専攻医という体制で、マンパワーは充足した状況ではあります。
沖縄県は肥満率が全国で一番高いと言われています。なかでも宮古島の肥満率は県内1位です。当院健診センターでも生活習慣病の検査結果の割合が高くなっています。健診結果確認の際に、前年、前々年の検査結果と比較しますが、数値の改善が見られないことが多く、健診からの治療および予防に結び付いていません。今後、健診結果を診療に結び付けていくことが重要課題となっています。健診からの外来増患を図りながら、外科的疾患への対応も充足できる体制の構築を検討し、当院に与えられた病床を余すことなく使用できるように努めていきます。
皆で頑張りましょう。