直言

Chokugen

医療法人徳洲会 常務理事
札幌徳洲会病院 院長
奥山 淳(おくやまあつし)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

奥山 淳(おくやまあつし)

医療法人徳洲会 常務理事 札幌徳洲会病院 院長

2023年(令和5年)04月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1383

失敗しないよう立ち止まっていたら
時代の流れに取り残されてしまう今
Plan─Do─Check─Actionの繰り返しを

2023年は徳洲会グループ創立50周年、そして1983年5月に札幌徳洲会病院が誕生して40年という節目の年となりました(開院時の場所は札幌市白石区でしたが、2012年に厚別区へ新築移転)。これも、ひとえに地域住民の皆様に支えられ、その信頼に応えられるように、職員が徳洲会の理念を共有し、救急医療に力を注いできた結果と受け止めております。支えていただいた皆様に、深く感謝申し上げます。

節目といえば、当院旧病院はリフォーム後、13年にグループ初のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「徳洲苑しろいし」に生まれ変わり、9月で10周年になります。札幌市内でも4番目に大きい大規模サ高住で、当初、175人の定員を満たすのに困難をともないましたが、営業活動および内部サービスの充実が奏功し、19年度より黒字展開して、現在に至っています。少子高齢化社会は予測よりも急速に進展しており、介護老人保健施設(老健)、特別養護老人ホーム(特養)、認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)、有料老人ホーム、そしてサ高住と、この地域においても、多様な介護施設が増え続けています。これからの高齢者の生活様式をふまえ、病院と自宅の中間施設の一選択肢として、地域に貢献してまいりたいと思います。

特定看護師によるタスクシェア 医療の連続性に寄与し質が向上

地域の救急医療に貢献すべく、当院では19年より、患者様や手術室スタッフ、および麻酔科医師の協力の下、救急救命士の気管挿管実習を受け入れております。これは硬性喉頭鏡による挿管30症例、およびビデオ喉頭鏡による挿管2症例の成功を必要とします。当初は札幌市消防局から1人の受け入れでしたが、当院は他の受け入れ医療機関よりもスピーディかつ効率的と評判で、実習受け入れの要請が増え、翌年より2人を受け入れました。さらに、22年度からは厚別区に隣接する北広島市消防本部からも1人受け入れ、計3人の気管挿管実習を行いました。北広島市といえば、今シーズンよりプロ野球の北海道日本ハムファイターズが移転してきます。当院は試合開催日における球団関係者に対しての医療サービスなどを提供する医業業務協定を締結いたしました。ますます近隣地域との緊密な連携を構築する一助になるものと思われます。

「医師の働き方改革」が謳われてから、タスクシフト・タスクシェアがキーワードのひとつとなっています。当院は20年に看護師特定行為研修センターを開設し、この春には修了生が計19人になりました。特定看護師の人数や修了区分の種類が増えると、特定看護師間のタスクシェアも可能になります。当院では昨年4月に、新たに循環器センターを開設し、これまで心臓カテーテル治療は360件になりました。特定看護師はER(救急治療室)、ICU(集中治療室)、そして一般病棟それぞれに配置し、多忙な循環器科医師の代わりに、手順書に基づき、特定行為とそれに付随する医行為を実施しています。動脈採血による血液ガス分析、動脈カテーテル管理、人工呼吸器の装着から設定変更やウィーニング(自発呼吸への移行プロセス)、離脱後の酸素投与、ならびに呼吸管理をはじめ気管切開カニューレ選択や交換などに、複数の特定看護師が携わっています。特定看護師間はもちろん、特定看護師から多職種への円滑なコミュニケーションによるタスクシェアにより、医療の連続性における質の向上を得ています。

「いいと思えばやってみて 駄目なら軌道修正を行う」

現在は時代の転換期で、新型コロナウイルスの流行により、その流れが加速しました。この3年間で、人の行動などは制限されましたが、思考様式や社会環境は急速に変化しました。従来の権威や価値観が変容しており、何が正解かがわかるまで、失敗しないように立ち止まっていたら、時代の流れに取り残されてしまいます。物事がうまくいくかどうかは、やってみなければわからないかもしれません。いいと思ったら、とりあえずやってみて、駄目なら軌道修正する──Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返すことで、激動の時代を乗りきっていきましょう。当院は変化に対応し、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指して、病院機能の向上を推進していきたいと思います。皆で頑張りましょう。

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