徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

医療法人徳洲会 常務理事
福岡徳洲会病院 院長
乘富 智明(のりとみともあき)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

乘富 智明(のりとみともあき)

医療法人徳洲会 常務理事 福岡徳洲会病院 院長

2023年(令和5年)01月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1372

新専門医制度を意識した離島・へき地研修へ
マネジメントと大学側の理解を得る努力を!
離島医療に参加しやすい環境を整えることが重要

今、徳洲会グループでは東上震一理事長の指揮の下、離島・へき地医療への新しい取り組みが始まっています。たとえば、離島に住む方々が、手術治療を受けるために多大な犠牲を払って都市部の病院に転院しなくてもすむよう、都市部と同レベルの医療を島にいながら受けられるようにとの思いで、さまざまな改革に着手されています。ドクタージェット機の試験運行もそのひとつで、専門医の離島での診療が拡充しつつあります。

離島に数カ月間滞在できる 常勤医師派遣が今後の課題

そのようななか、九州の交通の要衝に立地する福岡徳洲会病院は、離島医療への貢献が期待される存在です。これまで看護部、事務部、薬剤部、リハビリ科など多職種のスタッフを継続して徳洲会グループ病院に派遣してきました。しかし、医局に関しては思うように医師の雇用が進まず、派遣要請にも十分に応えられない状態が何年も続きました。申し訳ないことです。私は一昨年、院長職を引き継いでから病院運営の立て直しとともに、離島医療への協力をひとつの柱として取り組んできました。現在、当院からは6つの診療科に属する医師たちが毎月、離島にあるグループ病院の診療に参加しています。時には、当院派遣の外科医から急な手術症例発生の連絡が来て、急遽、追加で1人派遣し手術を行うこともあります。その時は、中部徳洲会病院(沖縄県)の麻酔科の先生に助けていただいています。離島支援も複数のグループ病院で協力して行えるのは徳洲会の良いところです。しかし、このような1週間程度の短期サイクルの医師派遣はうまく機能しても、数カ月にわたり離島に滞在して、院長先生を助ける常勤医師の派遣には至っておらず、今後の課題と言えます。

卒後3年目から5年目の専門研修プログラム専攻医(いわゆる後期研修医)は、離島医療にとって大きな存在です。専攻医の下には2人から3人の初期研修医がいて離島医療を支えています。したがって、初期研修医のフルマッチと同じくらい徳洲会の専門研修プログラムに専攻医をリクルートすることを重視すべきです。また、専攻医に対しては、3カ月間の離島・へき地研修に際し、離島への派遣期間の調整、J-OSLER(内科専門研修医登録評価システム)やNCD(外科系手術症例データベース)への症例登録など、専門研修プログラムを3年間で遅滞なく修了できるよう配慮する必要があります。当院では、離島研修による研修休止期間が後で問題とならないように、専攻医が派遣されそうな病院には、あらかじめ当院とプログラム連携を組んでいただくようお願いしています。

当院では、急性期医療を担う診療科の多くが大学からの派遣となっていることが、離島・へき地医療協力での懸念材料となっています。どのグループ病院も同じ悩みを抱えておられるかもしれませんが、大学からの派遣医師に徳洲会の離島・へき地医療に参加してもらうことはデリケートな問題です。当院にも全員が単一の大学教室からの派遣医師という診療科がありますが、これまではグループ病院への応援を依頼し難い雰囲気がありました。しかし、ある大学教授から「教室員たちを徳洲会病院に派遣したのは、症例数が多く、若い教室員たちが臨床の修練をするのに適しているからです。その目的と矛盾しない範囲ならば、離島医療も若い教室員たちには良い勉強となるでしょう」とのお言葉をいただき、当院では外科と耳鼻咽喉科は大学派遣の医師たちも交代で離島診療に参加しています。きめ細かい離島医療協力体制のマネジメントができれば、大学教室員の先生方にも離島医療に参加していただくことは不可能ではありません。

徳洲会を経験した医師たちと 協力しながら仕事できる日も

徳洲会の離島病院には、大学病院など他の研修プログラムから、地域医療の研修先として希望してくる研修医が増えています。彼らが将来、徳洲会グループに入職してくれることを期待しないわけではありませんが、研修医たちが自分の大学に戻った時に、離島での経験を語り継いでくれることも大切だと思います。これが年々積み上がっていくと、日本中に徳洲会医療の理解者が増えていきます。このような、かつて徳洲会を経験した医師たちとも協力し、仕事ができる日も、そこまで来ています。明るい未来を信じて、皆で頑張りましょう。

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