徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

医療法人徳洲会 常務理事
仙台徳洲会病院 院長
佐野 憲(さのけん)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

佐野 憲(さのけん)

医療法人徳洲会 常務理事 仙台徳洲会病院 院長

2022年(令和4年)12月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1368

新型コロナと闘い続け3年以上経過
明らかに当院のギアが一段階アップ
逆境が成長を促し新病院建設費返済の力に

徳田虎雄・名誉理事長が理事長時代に、いつも、いろいろな本が配られていました。一番多く配られた本は、恐らく漫画です。これは新しく病院ができたりして、内覧会が開かれると、つねに配布されていました。『明日はいい日だ』と『生命だけは平等だ』というタイトルの漫画本です。もちろん、私も読みましたが、実は私の小・中学生の子どもたちが、知らないうちに何度も読み返しており、徳洲会について、ものすごく詳しくなっていました。

ここで問題です。「徳田・名誉理事長が大阪の今宮高校時代、国語の試験中に手に文字を書き、カンニングを疑われます。その時、手には何と書いてあったでしょうか?」

私の子どもたちは、この問いに余裕で答えられます(答えは自分で調べてください)。何はともあれ、当時は徳田・名誉理事長の本(漫画本以外も)ばかり配られて、「またこれか」といつも思ったものです。しかし、今になって、あらためて読み返す機会が多くなっています。

職員は自ら院長と思い行動を との徳田・名誉理事長の言葉

昔、植嶋敏郎・事務局長が松原徳洲会病院(大阪府)の事務長時代に、よく言われた言葉があります。

「徳田理事長だったら、どうされるのだろう」

徳田・名誉理事長は「すべての職員は、自分が院長だと思って行動しなさい」という趣旨のことをおっしゃっていたと思います。もし、再び新型コロナ感染症が猛威を振るい、感染者、濃厚接触者、または発熱者を救急車で全て受けなければならない状況になった場合、果たして院長として、どのような指示を出したら良いでしょうか。

仙台徳洲会病院は4月に新築移転し、はや8カ月が経ちました。療養環境も新しくなり、最新の医療機器・設備も導入することができました。救急外来も広く、そこにはCT(コンピュータ断層撮影装置)も完備されています。新型コロナ対応にも全力で取り組んでいます。救急車による搬送件数が1日に30件を超える日があり、その約3分の1がコロナ患者さんの時もあります。発熱外来についても、他の徳洲会グループ病院と同様、月曜日から土曜日まで対応し、多い日には100人以上の患者さんが訪れます。コロナの入院患者さんも、新しく開設した病棟全体に陰圧がかかる感染病床24床のところ、30人以上を受け入れる日も多くなっています。

「もう、これ以上は無理だよな。100%の力でやっているので、もう救急を断っても仕方がないのではないか」と、救急をストップせざるを得ない状況になったりすることもあります。

徳田・名誉理事長の著書『生きる力』の中に、こんな一節があります。「以前、私が政治家になろうと立候補した時に、たくさんの人たちが力を貸してくれました。その時に『応援を頑張った』と発言する人たちと、『まだ、やり足りない』と言う人たち。どちらが自分の力を100%出し切った人なのかと考えた場合、私は後者の人たちが本物ではないか」と。

“陰圧の感染病床が満床で、もし、救急車で搬送されてきた患者さんがコロナに感染していたら、どうにもできない。他院搬送もできないくらいコロナは蔓延しており、どうにもならない。だから断るしかない。病床が落ち着いたら、また救急車を受け入れたらいい”。これは正しい考え方なのでしょうか。

100%出し切ったなら 断ってもいいのかと自問

“現在、満床で入院できない時も、救急を受け入れ、広い救急外来の初療室で、ひどい時にはそこで1~2日お待たせし、それでも救急車を受け入れる日々。その13床の救急初療室も満床でどうにもならなくなったら、どうするか”

「これで、さすがに100%でしょう。これなら断ってもいいでしょう。いや、でも……」

皆さんの病院は、いかがでしょうか。恐らく同じような悩みを抱えていると思われます。このような状況でコロナと闘い続け、すでに3年以上経ちました。しかし、振り返ってみると、3年前の当院と比べ、明らかに一段階ギアが上がったことに間違いはないと確信しています。

「まだやり足りない!」という境地には達していませんが、このような逆境が成長を促し、新病院建設の借り入れを返せる力が付いてくるのかもしれないと強く思う今日この頃です。

皆で頑張りましょう!

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