直言

Chokugen

医療法人徳洲会 理事長
一般社団法人徳洲会 理事長
東上 震一(ひがしうえしんいち)

直言 ~ 生命 いのち だけは平等だ~

東上 震一(ひがしうえしんいち)

医療法人徳洲会 理事長 一般社団法人徳洲会 理事長

2022年(令和4年)10月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1358

患者さんの身も心も救い労苦を分かち合う
仲間たちを幸せにする施設をつくり続ける
多くの人々もまた徳洲会の社会運動で幸せに

医療法人徳洲会理事長に就任し3カ月が過ぎました。この間、就任の挨拶とともに各施設の現状や問題点をあらためて把握するため、スケジュールに隙間をつくることなく全国の徳洲会施設を訪問しています。初めて訪れた介護系施設では自身の不明を恥じることも多々あり、勉強の毎日です。また、モンゴル(首都ウランバートル)、インドネシア(首都ジャカルタ)を訪問する機会を得て、アフリカのコンゴ民主共和国で現在進行中の病院建設支援プロジェクトに加え、アジアでの新たな国際協力の可能性を実感できました(これらの国々と徳洲会グループは、すでに徳田虎雄・名誉理事長の時代に医療協力、病院建設に関する覚書「MOU」を交わしています)。海外出張は息をつく暇もないほどの強行スケジュールでした。自らの立場を決して快適なものにしないという戒めの決意を込め、足を運び、走り続ける覚悟です。人生が陳腐なまま終わることへの恐怖心、くだらない人生に堕し停滞することへの恐怖心――。こうした恐怖心をエネルギーに変え、“徳洲会”という社会運動を強力に牽引した徳田・名誉理事長の生き方を範とするが故の行動だと自負しています。

四耐四不訣」の言葉と 徳洲会の行動様式は通底

コロナ・パンデミック(大流行)後の社会や医療は大きく変容すると考えられます。そのなかで徳洲会が成長を続け、私たちの夢を具現化するための努力は容易なものではありません。しかし、あらゆる状況下でTokushukai Wayは正しいと確信しています。医療者の圧倒的な献身と努力が成功を約束する――“徳洲会”であることの仲間意識を今再び強く醸成し、困難を乗り越えていきたいと思います。

労苦を分かち合う仲間に、ひとつの言葉を紹介します。私自身、胸に刻むべきと書き留めていたものです。中国・清朝末期の曽国藩という著名な政治家・軍人が遺した「四耐四不訣」がそれです。「耐冷、耐苦、耐煩、耐閑、不激、不躁、不競、不随、以成事」。読み下すと、冷に耐え(孤独や周囲の冷たさに耐えなければならない)、苦に耐え(苦しさに耐えなければならない)、煩に耐え(わずらわしさ、忙しさの連続に耐えなければならない)、閑に耐え(閑職に追われても耐えなければならない)、激せず(つまらないことに腹を立てない)、躁がず(ばたばたと、はしゃがない)、競わず(つまらぬ人間と競い合わない)、従わず(従容として、人の言いなりにはならない)、以て大事を成すべし。

世の中の状況がいかに変化しようとも、その変化に一喜一憂して右往左往することなく私たちの理念を堅持し、愚直に、当たり前に、いつも目の前の患者さんのために、精いっぱいの努力、誠実な貢献を行ってきた徳洲会の行動様式と、曽国藩の「四耐四不訣」には相通じるものを感じます。私たちが目指す、あるべき徳洲会の姿を求めて、さらなる大事を成していかなければなりません。

徳洲会の克服すべき喫緊の課題として、まずグループ病院間の人材交流をどう活性化するかがあります。この問題は成長を続ける徳洲会グループが向き合わざるを得ない本来的課題でもあります。具体的には離島・へき地に立地する中・小規模のグループ病院をどう支援し、その医療内容を充実させていくかです。インセンティブを含めた実際的な方策をつくり上げる必要があります。大切なのは問題意識を共有し、苦労する仲間を何とか助けたいという仲間意識です。医療チームが動くことで、地方に高度医療をも届けることが可能になる徳洲会ドクタージェット機の積極運用も、この課題に対するひとつの答えになる可能性があります。地理的、経済的ハンデを乗り越え、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」の実現を目指すなら、この試みは徳洲会にしかできない努力とも言えます。理念を、お題目に終わらせるわけにはいきません。

想いは施設を越え地域を越え さらには国境も越えて広がる

「世界の厚生省になる」との徳田・名誉理事長が唱えた私たちの最終目標は、決して夢物語ではありません。徳田先生が世界中に蒔いた種を育て着実に開花させたいと思います。未来を明るく捉え、目の前の医療の現実は困難に満ちていても、私たちの想いは施設を越え、地域を越え、さらには国境も越え広がります。皆で頑張りましょう。

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