徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

東京西徳洲会病院 院長
渡部 和巨(わたなべかずなお)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

渡部 和巨(わたなべかずなお)

東京西徳洲会病院 院長

2021年(令和3年)12月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1318

82床の増床が認可され次のステージに突入
形式知を物語って組織の知に広げる重要性
グループに各種部会が存在する意義は大きい

36歳の徳田虎雄・名誉理事長は初めてつくった徳田病院(大阪府、現・松原徳洲会病院)を1975年、医療法人徳洲会に法人化し理事長に就任、現在、グループは71病院を有しています。M&Aと指定管理病院は全病院の24%、全病床1万7909床の18%を占めます。徳田・名誉理事長以外、反対のなかで進めたものもありました。「誰も引き受けないから。そこに住んでいる人たちが困るから」――その一点で引き受けたのです。現在、それらの病院は建て替えや改修を行い診療科も増え、地域医療を守っています。当院は人口250万人の北多摩の一角、北多摩西部二次医療圏にあります。病床規制の昨今、218床が不足するなか、今回82床の増床が認可。2年後に568床となり、次の段階に入ります。

“生命だけは平等だ”の理念 徳洲会グループを支える芯

英国の科学者ピーター・スコット=モーガンは2017年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹(かか)り余命2年と言われ、サイボーグになると決心、ネオ・ヒューマン「Peter 2.0」として日々、実験的進化を遂げています。モーガンらは1994年、「会社の不文律」を世に問い、同じ年に経営学者の野中郁次郎(いくじろう)は暗黙知と形式知の循環「SECI(セキ)モデル」を発表、そのモデルは米国の経営学者マイケル・ポーターと一線を画す考え方として進化しています。不文律と暗黙知への理解はとても重要です。

組織には破壊的イノベーションが必要と言われますが、組織の芯になる部分が安定していなければ荒波に飲まれてしまいます。徳洲会の芯は“生命だけは平等だ”の理念であり、我々を支えてきました。今後は徳洲会グループが獲得した暗黙知を形式知化し、進化するルーティンのなかで、職員に物語ること(ナラティブ)が組織の知へと広がり、深まるために必要です。不文律を理解するには何がここの人たちに大事か、誰がそれを動かしているか、どうすればその大事なことを実現できるかを知ることです。地域医療は地域だけに目を向けていては限界があります。一方、徳洲会には各種部会などさまざまなことを行う集団がいくつもあり、その意義は大きいと考えます。グループの年間収益が5000億円を超えた今、率先躬行(そっせんきゅうこう)あるのみです。

11月から5つの徳洲会病院が国際的な医療機能評価JCI認証の更新審査をWEB受審しました。サーベイヤーの出身国は欧米、アジアと多彩で、徳洲会の理念を理解してもらう絶好の機会となりました。そんななか「世界200カ国に病院を建設する」と言った徳田・名誉理事長の言葉がよぎりました。2001年後半にALSに気付いた徳田・名誉理事長は03年、東京都にある国際連合大学で開かれた「アフリカの日」シンポジウムで「アフリカにおける医療外交、技術移転、医療インフラの整備」と題し発表、medical diplomacy(医療外交)の重要性を表明しました。その年にタンザニア、ウガンダ、セネガルなどとMOU(了解覚書)を交わし、タンザニアでは18年3月に腎移植がスタート、徳洲会と東京女子医科大学の協力の下で11例、その後は現地医療者のみで14例が実施されています。

当院が立地する昭島市で人口 1万人増プロジェクトが進む

当院が立地する昭島市にある昭和飛行機工業を昨年、世界的な投資会社傘下のBCPEが買収、広大な敷地を総合開発し人口を1万人増やすプロジェクトが進んでいます。当地の水は深層地下水で、安全度第1位を獲得したこともあります。半導体や液晶製造に欠かせない超純水などの研究ができるため、水処理国内最大手の栗田工業がその一角の1万坪に来年4月、研究所を全面移転します。安全な飲料水を利用できない人口が半数以上を占める国が世界には3カ国あり、コンゴ民主共和国はそのひとつです。現在も74%の人々が利用できませんが、その国で徳洲会は病院建設プロジェクトを推進しています。

福岡徳洲会病院での研修経験がありアフガニスタンの復興に尽力した神経内科医の中村哲先生が凶弾に倒れたのは19年12月4日。初任地のパキスタンのミッション病院ハンセン病棟には「この建物は徳洲会の援助で設立された」と書かれたプレートが掲げられています。中村先生が遺された「命を粗末にしてはいけない」という言葉は徳洲会の理念に通じます。多くの人々が吸い寄せられるグループでありたい。皆で頑張りましょう。

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