徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2015年(平成27年)9月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.999 三面

皆野病院
町ぐるみで透析予防
多職種がサポートし成果

徳洲会グループの皆野病院(埼玉県)は皆野町と協力し、重度糖尿病患者さんに透析予防の治療プログラムを提供している。多職種がかかわって患者さんの行動変容を促しており、透析の回避や開始時期の大幅な延長など成果を出している。

透析予防に力を入れる(左から)山下芳朗・名誉院長、大峰薬局長、中林副主任、山﨑看護師、森・副技師長、後藤部長、若山昌彦院長 透析予防に力を入れる(左から)山下芳朗・名誉院長、大峰薬局長、中林副主任、山﨑看護師、森・副技師長、後藤部長、若山昌彦院長

皆野病院は同院で加療中の糖尿病患者さんのうち、1~2年以内に透析導入すると予測される重症者22人を対象に透析予防プログラムを提供。

具体的には、まず同院で減塩・飲水指導、腎保護薬リラグルチド自己注射の教育などを行った後、町の保健師が患者さんの自宅を訪問し、実際の生活を確認、評価。この結果や検査数値などをもとに、月に1回の合同カンファレンスで、一人ひとりに合った減塩食レシピや具体的な生活改善プランなどを協議し、患者さんに提示する。

同治療の大きな特徴は減塩に力を入れている点だ。「従来は糖尿病性腎症の高血圧対策としての減塩指導をしていましたが、リラグルチドが減塩していないと効果がないと知り、減塩にとくに力を入れることにしました」と後藤敏夫・内科部長。

これは、同治療プログラムの先駆けである平井愛山・千葉県立東金病院院長(当時)が同院の院内勉強会で講演したことに端を発し、3年前から実施。減塩・飲水指導は一施設では難しいことから、2年前からは町と協働している。

とくに訪問指導で得た個々の患者さん情報が果たす役割は大きく、「個別指導した結果、腎機能の悪化スピードが遅くなったり、なかには改善したりする方もいます」と、中林由紀・栄養室副主任は報告。半年後に透析導入と予測されながら、数値が安定し2年経った今も導入せずにすんでいる方もいるという。

同プログラムは医療者だけでなく、患者さんが積極的に治療に参加する雰囲気づくりが大切だ。同院は尿タンパク値やeGFR値をグラフ化し、患者さんの状態や、現状から予測される透析導入時期などが、ひと目でわかるよう工夫。「〝見える化〟したことで患者さんの関心も高く、『今日の数値どうだった?』などと質問されるようになりました」と山﨑玉枝看護師(日本糖尿病療養指導士)。

こうした数値やグラフは医療チーム全体で共有しており、「病院だけでなく、町も巻き込んだ形の治療スタイルがうまく形成されていると思います」と大峰智子薬局長は胸を張る。

今後、導入を検討しているのが塩分味覚検査だ。これは個人の塩味に対する感度を調べる検査で、「まだデータを集めている段階ですが、実現すれば、さらに個別化した栄養指導が可能になります」と森泰彦・検査科副技師長は意欲を燃やしている。

後藤部長は離島・へき地には糖尿病専門医が常駐していない病院が多いことを指摘し、「専門医がいなくても糖尿病性腎症の進展は抑制できるという、ひとつのモデルケースだと思います」と語っている。

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