徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

白部 多可史(しろべたかし)(成田富里徳洲会病院院長)

直言 ~生命いのちだけは平等だ~

白部 多可史(しろべたかし)

成田富里徳洲会病院院長

2015年(平成27年)8月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.993

成田富里徳洲会病院9月1日に開院
まず消化器疾患治療と救急医療が柱
トップクラスの病院を目指し全力尽くす

私は1981年、慶應義塾大学医学部を卒業と同時に同大学外科学教室に入局。以来32年間、同大学および関連病院で消化器外科医として勤務しました。千葉徳洲会病院に入職したのは2013年です。

外から見た徳洲会のイメージは決して良いものではありませんでしたが、中に入ってみると職員は本当に一生懸命に働く善意にあふれた人たちで、良い意味で予想は裏切られました。残念ながら徳洲会創始者の徳田虎雄・前理事長にお会いする機会はありませんでしたが「生命だけは平等だ」の哲学は脈々と受け継がれていることを痛感しました。

また、救急医療だけではなく、離島・へき地医療に大きな役割を果たしていることを知り、世間の見方を変えていかなければならないと考えるようになりました。そうした時期に院長就任の話をいただき、その思いを実現する良い機会だと考え、大任ではありますが、引き受けさせていただくことといたしました。

成田富里病院では、まず自分の専門である消化器疾患の治療を柱にしたいと考えています。若い頃は“Big Surgeon, Big Incision”(上手な外科医は大きな創(きず)を好む)と教わりましたが、体壁の破壊が侵襲手術の大きな割合を占めるといわれるようになり、小さい傷の手術・内視鏡手術が脚光を浴びるようになりました。

内視鏡手術を安心・安全に受けられる体制づくりに力

とくに腹腔(ふくくう)鏡下手術は、外科手術治療に革命といえるほどの大きな変化をもたらしました。残念ながら腹腔鏡下手術による死亡事故がマスコミに大きく取り上げられ、内視鏡下手術が危険な手術であるかのように捉える方がおられますが、先日、日本外科学会よりNCD(National Clinical Database :わが国の医療の現状を把握するために設立された一般社団法人)の集計で、調査された消化器外科の代表的な7術式すべてで、腹腔鏡下手術が開腹手術の死亡率を下回っていたことが公表されました。

今年度から日本内視鏡外科学会の技術認定審査員に就任した私としては、技術認定医制度の充実に力を注ぎ、内視鏡手術が安心・安全に受けられる体制づくりに尽力したいと思っています。

消化器疾患治療とともに力を入れたいのは、徳洲会の原点である救急医療です。理想は前理事長が目指した24時間365日、断らない救急医療ですが、救急を行うからにはきちんとした治療を提供する義務があります。

整形外科医がいなければ、骨折患者さんを受け入れることはできませんし、緊急内視鏡検査ができなければ、吐下血の患者さんを受け入れるべきではないのです。できるだけ多くの緊急患者さんを断ることなく受け入れるための体制づくりが、院長の最大の責務です。

現在、強力に医師対策を進めており、マンパワーを徐々に充実させている段階です。まず対応できる疾患に関しては、絶対に断ることのないよう、万全の救急医療体制の確立を目指していきます。地域の信頼を得て、患者さんを増やすことで、やる気のある医師、看護師、パラメディカルを引き付け、さらに良い医療が提供できるという好循環を生み出し、可能な限り早期に「救急は成田富里徳洲会」と言われるようにしたいと思っています。

新病院に自分の手で命を吹き込むという職員全員のやる気

院長就任が正式に決まった時、開院まで4カ月半。引き受けた時点で、医師は私を含めて2人だけ。クリニックでも開くつもりなのかと唖然(あぜん)としました。到底無理だと幹部会で話すと、グループで応援を出し、医師をそろえると言っていただきました。どの病院も割り当てられた人数を出せるほどの余裕があるはずもないなか、ご協力いただいております。

いまだ十分とは言えませんが、開院が間近に迫った現時点で、ないものを嘆くことに意味はありません。参集してくれたスタッフ全員には、新しい病院に自分の手で命を吹き込むという力強いやる気がみなぎっており、心強く感じています。

できることをきちんとこなし、地道に実績を上げ、地域の信頼を得て、地域で一番の病院となり、さらに日本のトップクラスの病院に成長していけるよう、全力を尽くしたいと思います。

皆様のこれまでのご支援に深く感謝いたしますとともに、今後とも変わらぬご協力をお願いいたします。

皆で頑張りましょう。

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