徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

上山 泰男(かみやまやすお)全南病院(大阪府) 院長

直言 生命 いのち だけは平等だ~

上山 泰男(かみやまやすお)

全南病院(大阪府) 院長

2021年(令和3年)7月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1297

人生の夢を実現する場所が弱者を助ける
仕事の現場でありその研修の場が徳洲会
理念のさらなる具現化のためBestは何か日々模索

3月1日に大阪府柏原(かしわら)市の全南病院の院長に就任しました。私は大阪府の生まれで、京都大学を卒業後、外科に入局、その後、洛和会音羽(らくわかいおとわ)病院、京都市立病院、関西医科大学などに勤務しました。肝胆膵が専門で、大学を定年退職後、徳洲会に入り、今年で13年目になります。徳洲会では高砂、屋久島、神戸などの病院と、徳田虎雄・名誉理事長の故郷である徳之島や、奄美大島にある60床の瀬戸内病院でも一般外科、総合臨床医として勤務しました。

鹿児島県の離島である奄美群島(奄美大島、加計呂麻島、請島(うけじま)、与路島(よろしま)、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島)の方々は、主として地理的な条件のため、歴史的にハンディを負ってきました。しかし、大変素晴らしい固有の伝統文化、芸術、自然観などを今も継承されています。方言ではない、固有の独立言語も使われています。三線を弾き、島唄を歌い、両手をかざして踊られます。また、奄美大島の龍郷町(たつごうちょう)は西郷隆盛が薩摩藩士として務めたところで、徳之島は配流となった地です。

弱者の命と生活を守るために 命と人生を懸けた名誉理事長

私は離島での勤務中、西郷さんと、徳田・名誉理事長のことが、いつも頭にありました。人工呼吸器を着けているため、胃瘻(いろう)から栄養を摂られる名誉理事長の姿をよく思い出しました。名誉理事長が幼少の時分、夜間に発病した弟のために、医師に往診を求めたものの断られ、隣村にいる二人目の医師のところへ走られた山道は、今も街灯がありません。道の両側は墓地で、暗い森の中を走られたそうです。この道は県道と交差しており、徳之島空港に出る時は必ず横切ります。この時の名誉理事長の気持ちは想像を絶するものがあります。しかし、同じ気持ちで徳洲会の病院に来られる患者さんや、そのご家族がおられることは間違いありません。

徳洲会の理念は“生命だけは平等だ”であり、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」が目指すところです。名誉理事長は弱者である奄美群島や開発途上国の方々の命と生活を守っていくために徳洲会をつくられました。将来、日本の人口が減れば、離島・へき地の病院から先になくなっていくことを予見されました。このため都市部にある病院からのサポートを徳洲会草創期に想定されたのです。離島・へき地をはじめ世界のすべての弱者の命と生活を守るために、ご自分の命と人生を懸けられたのです。

徳洲会の理念を8時会で唱和する時、私の“総合点”は未熟であると感じずにはいられません。至らぬ点を徳洲会グループの職員の方々、プロ集団によって幾度も補っていただきました。

米国のテレビドラマから 若い職員へ修業方法紹介

私が再び修業を始めるのは難しいので、今年、徳洲会に入った若い職員の方々に、ひとつの修業方法をお伝えします。60年位前の米国のテレビドラマ『ローハイド』は、カウボーイ(cowboy)たちが、テキサス州から東海岸への汽車の出発駅があるミズーリ州まで1300㎞を3000頭の牛の群れを連れ、草や水のある道を選び、牛を太らせながら移動する旅の物語です。途中で、いろいろな事件、事故、天候の異常などが起こります。カウボーイの隊長は仲間と話し合ったり、外部と交渉したりして難局を切り抜けながら旅を続けます。ある若いカウボーイが「自分はあなたのような隊長になりたいので、その方法を教えてほしい」と隊長に尋ねました。隊長は「この隊の先輩から仕事の技術、知識、経験、すべてを習得しなさい」と答えました。若いカウボーイは「もし、この隊の先輩から学ぶことがなくなったら、どうすればいいですか」と、さらに質問します。「別の隊長のいるチームを探し、そこに入りなさい」と隊長。若いカウボーイは「では、新しいチームに次々と入った後、学ぶことがなくなったら、どうすればいいですか」。隊長は「その時は、あなたが隊長になりなさい」。

人生の夢を実現する場所が、弱者を助ける仕事の現場であり、その研修の場が徳洲会です。そして理念の具現化のため、これからも私たちの仕事は続きます。

当院は60床の病院ですが、全職員が、与えられたこの場所で、この条件下で、日々、徳洲会の理念のさらなる実現のため、Bestは何かを探し始めています。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

皆で頑張りましょう。

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