徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

梶原 正章(かじわらまさあき)近江草津徳洲会病院(滋賀県) 院長

直言 生命 いのち だけは平等だ~

梶原 正章(かじわらまさあき)

近江草津徳洲会病院(滋賀県) 院長

2021年(令和3年)3月15日 月曜日 徳洲新聞 NO.1278

困難な状況でも負けずに頑張った
当院の職員を本当に頼もしく思う
徳洲会病院からの多大な応援に心より感謝

世界で新型コロナの感染拡大が確認されてから1年以上過ぎましたが、気が付いてみれば感染者1億人超、死者数も260万人超と、驚かされます。

当院では昨年4月に事務職員1人から陽性者が発生、8月には通所リハビリの利用者さん1人から陽性者が発生しました。そのたびに感染防御を強化したつもりでしたが、11月の土曜日の午後、病棟スタッフの陽性が判明し、すぐに実施した病棟の一斉検査の結果、翌朝、クラスター(感染者集団)が発生していることがわかりました。

感染防御しっかりすれば極力回避できること実感

日曜日にもかかわらず、宇治徳洲会病院(京都府)感染制御担当の江口比呂美・看護師長と一般社団法人徳洲会医療安全・質管理部の野口幸洋・課長補佐に応援に入っていただき、病棟のゾーニング(区分け)や個人防護具(PPE)の着脱などを迅速に指導していただきました。また、大量の検査をするたびに、宇治病院や野崎徳洲会病院(大阪府)で休日も含めスピーディーに結果を出していただいたことも感染拡大を抑える大きな力となりました。検査室スタッフからも外注のPCR検査で「推定陽性」という結果が出て、結局は陰性だったのですが、一時、人手不足となり、検査技師の応援を八尾徳洲会総合病院(同)と岸和田徳洲会病院(同)からいただきました。当時は陽性者を院内で診療する体制は取っていなかったため、陽性患者さんを周辺の指定医療機関などに転送させていただけたのも助かりました。

当院は高齢の入院患者さんが多いため、自分ではマスクをされない方も多く、医師や看護師の予防策が十分でなかったと思われます。また、休憩室で飲食する際などの感染防御も不十分で、職員同士での感染があったものと思われました。患者さんで感染が広がったケースは、ほとんどが同室者同士のようで、大部屋での感染防御に注意する必要を感じました。介助が必要な高齢患者さんを病棟の1カ所に集め食事を摂っていただいていたため、ここでの感染も懸念しました。席順が決まっておらず、濃厚接触者を特定するのが難しくなり、当初は病棟全体をレッドゾーン(感染危険区域)にせざるを得ませんでした。結果的には、そこに来ていただいていた患者さんは、あまり大きな声で会話をされることもなかったためか、感染が広がることはなかったように思われます。

外科系病棟と地域包括ケア病棟で感染者が出ましたが、急性期病棟から退院の準備のために地域包括ケア病棟に転棟していくケースが多く、これら2病棟に感染が広がりやすい状況があったかと思われます。このため2病棟のスタッフに陽性者と濃厚接触者が出て、マンパワー不足を起こし、残った1つの急性期病棟に負荷がかかりました。

現在、入院時には全患者さんにPCR検査を受けていただいていますが、ここで陰性になっても感染がないとは言いきれないため、マスクやゴーグルなどを装着し感染防御につねに気を払っています。休憩室や食堂、会議室などでのソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つことも怠らないように留意しています。クラスター発生中に職員から7人の陽性者が出ましたが、江口・看護師長に指導していただいた後は、陽性者が出ることもなく、感染防御をしっかりすれば感染を極力回避できると実感しています。ウイルスが病院内に入ってくるのを完全に防ぐのは難しいと思いますが、入ってきても広がらないよう感染防御していく考えです。

草津市から要請受け土日はワクチンの集団接種会場に

現在、一般外来とは離れたところに発熱外来を設置し、PCR検査、抗原検査などを実施しています。1月に滋賀県からの要請もあり、陽性患者さん受け入れ病棟を8床つくり、中等症までの治療を行っています。コロナワクチン接種については、土曜日、日曜日は集団接種の会場として当院を地元の草津市に使っていただき、平日は個別接種を行っていく予定です。

クラスターが終息するまでの約3週間、いつ収まるのかという不安のなかで、徳洲会グループ病院から多大な応援をいただき心より感謝申し上げます。また困難な状況でも負けずに頑張ってもらった当院職員も本当に頼もしく、感謝しています。これからも新型コロナウイルスとの共存を模索する時が、しばらく続くかと思われますが、皆で頑張りましょう。

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