徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

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大城 吉則(おおしろよしのり)中部徳洲会病院(沖縄県) 院長

直言 生命 いのち だけは平等だ~

大城 吉則(おおしろよしのり)

中部徳洲会病院(沖縄県) 院長

2021年(令和3年)2月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1275

つねに新しい知識・技術取得に尽力し
最善の医療を提供するのが医師の務め
徳洲会グループの自助・共助・結束の強さ実感

1月、伊波潔(いはきよし)前院長の後任として当院院長を拝命しました。私が医師を志したきっかけは、腎臓病で約5カ月間の入院と厳しい運動・食事制限を余儀なくされた中学生時代の闘病体験にあります。腎不全まで悪化するのではと不安な日々を過ごし、将来は腎臓病専門医へと考えるようになりました。

幸いにも腎臓病は治癒し、地元の琉球大学に進学しましたが、長年の思いは泌尿器科のポリクリ(臨床実習)で一変しました。当時、同大泌尿器科では1例目の腎移植の準備を進めており、その様子を見て腎不全の根治治療である腎移植に携わりたいと思うようになり、卒業後は泌尿器科に入局。同大および関連施設で研鑽(けんさん)を積み、腎移植については小児腎移植の第一人者、東邦大学の長谷川昭教授の下でトレーニングを受けました。腎不全のお子さんが、腎移植で見違えるように元気になるのを目の当たりにし、移植医療の素晴らしさを痛感しました。その後、琉球大の腎移植チーフとして100例を超える腎移植に携わり、同時に泌尿器科領域の腹腔(ふくくう)鏡下手術の確立と後進の指導に尽力しました。

渡米しダヴィンチ手術見学 滑らかで繊細な動きに衝撃

私と徳洲会との出会いは、大学生時代に〝生命だけは平等だ〟の理念に感銘した友人に誘われ、南部徳洲会病院を見学したのが始まりです。平安山英達(へんざんえいたつ)院長(現・名誉院長)から病棟回診で懇切丁寧に説明していただいたのを昨日のように覚えています。軽飛行機「徳洲号」にも体験搭乗しましたが、今のような立派な機体ではなく、スリリングな飛行体験でした。徳洲号への搭乗義務が生ずるのなら、徳洲会への入職は避けたいと思ったものです。それでも医師になってからは、大学からの派遣で月1回、与論徳洲会病院の泌尿器科外来を担当した時期もあり、当時の久志安範(くしやすのり)院長(4月1日から南部病院特命院長)から離島・へき地医療にかける熱い思いを聞かされました。

2000年代後半、国内ではいまだロボット支援手術が保険適用されていない時期に、中部徳洲会病院の安富祖久明総長(現・一般社団法人徳洲会理事長)から「徳洲会は米国の手術支援ロボット『ダヴィンチ』の導入を検討している」との話を聞かされました。米国では、すでにダヴィンチ手術が広く行われ、参加した米国泌尿器科学会でも良好な手術成績が報告されていました。

同手術に対する興味が強くなっていた時、渡米し同手術を見学する機会にあずかりました。腹腔鏡下手術を凌駕(りょうが)する鉗子(かんし)の滑らかで繊細な動きに衝撃を覚え、近い将来、日本でも普及する手術と確信し、大学病院に購入申請しましたが、その時は叶いませんでした。12年にダヴィンチによる前立腺全摘手術が保険適用となり、泌尿器科外科医の集大成として同手術を行いたいと思い、すでにダヴィンチを導入していた中部徳洲会病院に15年に入職しました。

離島や当院コロナ病棟へのグループからの応援に感謝

私は「日々是精進」をモットーに診療を行っています。医師になり昭和、平成、令和へと時代の移り変わりの早さを感じていますが、その間、医療も急速に進歩、技術革新も起きました。手術領域では開腹手術から腹腔鏡下手術、ロボット支援手術と低侵襲化への移行が進み、がんの薬物治療も化学療法薬から分子標的治療薬、がん免疫治療薬へと進展し、治療に難渋する進行がんの成績も改善。こうした新しい知識・技術をつねに取得し、最善の医療を提供することが医師の務めだと考えます。

昨年来、我々は新型コロナ感染症に翻弄されています。沖縄県は医療のsafety net(セーフティネット)が脆弱(ぜいじゃく)な離島を多く抱えており、感染者の割合が高い水準で推移。沖縄ブロックでは与論島、石垣島、宮古島で大規模な感染が相次いで発生し、一時、医療が逼迫(ひっぱく)しました。その度に、グループの応援スタッフとともに当院の感染対策の医師、看護師など職員が診療支援にあたりました。昨年9月、当院の新型コロナ感染症専用病棟開棟の際には、グループ病院から多くの看護師の応援をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。くしくもコロナ禍によって徳洲会グループの自助、共助、結束の強さに感じ入った1年となりました。国内でもようやくワクチン接種が始まりましたが、闘いはまだまだ続きそうです。皆で力を合わせ頑張っていきましょう。

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