徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

堀 隆樹(ほりたかき)鎌ケ谷総合病院(千葉県)院長

直言 生命 いのち だけは平等だ~

堀 隆樹(ほりたかき)

鎌ケ谷総合病院(千葉県) 院長

2021年(令和3年)2月15日 月曜日 徳洲新聞 NO.1274

職員(family)の安心・安全は
患者さんの安心・安全に帰結
「思いやりの心が皆を守ってくれる」

昨年4月1日、最初の緊急事態宣言の発出直前に、当院に院長として赴任しました。まずはコロナに対する意識調査と感染対策に関し聞き取りを行いました。当時はほとんどコロナに関する情報がなく、ただ漫然と何かを恐れているだけという印象を受けました。真剣に働く職員を未知のウイルスから守るため、玄関でのトリアージ(選別)から始めました。トリアージ開始にあたって大変感心したことがありました。それは感染対策主幹、看護部長の鶴の一声で、一気に体制を整えることができたことです。

有志の医師たちが手を挙げてERでの発熱患者さんに対応

しかし、トリアージで引っかかった患者さんをどう振り分けるかが問題となりました。4月時点ではPCR検査装置は保健所にしかなく、全例、CT(コンピュータ断層撮影)と採血を行い、コメントを付けて提出していました。当院でLAMP(ランプ)検査ができるようになったのが5月18日で、それまで手術前患者さんのコロナチェックは、前日にCTを行い肺炎像がないことを確認、全身麻酔を行うという綱渡りの状態でした。

ER(救急外来)は徳洲会外の応援医師が担当、応援元病院からコロナ疑い例は対応しないようにとの指示があり、5月1日までERでの発熱患者さんは全例断らざるを得ない状況でした。しかし、これを憂慮した救急科、外科の有志の先生方が手を挙げてくださり、5月2日からは対応可能になりました。ただ、この時もCT肺炎像がある患者さんのみを感染症病棟に、肺炎像がない患者さんは一般病棟にという背水の陣でした。

また、保健所からの陽性者入院要請に応えるため、4月20日に感染症病棟8床を設置。有志の先生方の協力の下、当直体制も整え5月2日から運用を開始しました。ただ、この時には第1波は収束しており()、陽性者は常時ほぼ1人。ERからの入院に対し、夜間、検査が行えなかったため、ERからの疑い例を3~5人収容している状況でした。そこで感染症病棟を6月25日に4床に縮小、この時点での入院患者さんは1~2人でした。

しかし、その後、第2波が始まり増床の準備を始めたものの、8床に増床できたのは9月11日で第2波が収束に向かっている時期でした。1~4人の陽性者と2人ほどの疑い例を収容していました。

1日で緊急増床成し遂げる職員の力量にただただ感服

11月に入り第3波の予兆を感じ、さらなる増床を考えていた時、併設の介護老人保健施設から12月15日、4人の陽性者が出たため、翌日12床に緊急増床しました。今考えると、私の判断の遅れで病床の準備が少しずつ遅くなったことが悔やまれます。ただ一方で、たった1日で緊急増床を成し遂げた職員の力量には、ただただ感服しました。

この1年間、協力いただいた全スタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。私は赴任以来、〝職員(Family)を守る〟という点に関してだけは、信念を貫くことができたのではないかと思っています。クラスター(感染者集団)はいつ、どこでも起こり得ることですが、〝職員の安心・安全が患者さんの安心・安全につながる〟と固く信じています。〝思いやりの心が皆を守ってくれる〟。皆で、頑張りましょう!

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