徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)7月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1091 一面

奄美ドクターヘリ運航開始
離島での救急搬送に活躍
名瀬徳洲会病院が受け入れも

離島・へき地医療に注力し、鹿児島県の奄美群島に病院、介護・福祉施設を多数展開する徳洲会グループと連動する施策がスタートした。奄美ドクターヘリ(ドクヘリ)の運航開始がそれだ。奄美群島の緊急島外搬送は従来、沖縄県のドクヘリや自衛隊ヘリなどが担っていた。奄美ドクヘリは鹿児島県内2機目となるドクヘリで、奄美大島に拠点を置き、奄美群島と十島村(トカラ列島)をカバーする。搬送時間の短縮による救命率の向上や後遺症の軽減などが狙い。奄美の離島救急を取り巻く環境が一歩前進した。

奄美群島・トカラ列島をカバー

救急車から患者さんをドクヘリに移し搬送先を目指す(喜界島) 救急車から患者さんをドクヘリに移し搬送先を目指す(喜界島)

鹿児島県はこれまで、鹿児島市内に拠点を置くドクヘリ1機を運用。だが、同市から奄美大島までは約380㎞と距離があることから、奄美群島は運航範囲の対象外だった。奄美大島以南からの緊急島外搬送は、地理的に近い沖縄県のドクヘリと自衛隊ヘリが主に担っていた。ただし沖縄県ドクヘリは飛行北限が徳之島までであるため、奄美大島や喜界島へは自衛隊ヘリが出動。沖縄県ドクヘリの搬送先は同県の医療機関に限られていた。

奄美ドクヘリは奄美大島に立地する鹿児島県立大島病院に配備。運航開始は昨年12月27日。運航は午前8時30分から日没前までで、日没以降は従来どおり沖縄および鹿児島本土(鹿屋市)の自衛隊ヘリが搬送を担当。搬送先は、原則として奄美ドクヘリの基地病院である県立大島病院が第一候補で、患者さんの傷病や容体、患者さんと家族の希望などを考慮のうえ、ドクヘリの搭乗医師が消防機関と協議しながら適切な搬送先を決定する。

ドクヘリの搭乗医師などに患者さんの申し送りを行う(喜界病院) ドクヘリの搭乗医師などに患者さんの申し送りを行う(喜界病院)

奄美ドクヘリの運航開始以降、消防機関は運航時間内であれば原則的に奄美ドクヘリに出動を要請。このため奄美群島への沖縄県ドクヘリの出動は限定的となった(奄美ドクヘリが運航できない場合、例外として沖縄県ドクヘリも検討)。

奄美大島から約50㎞の距離に位置する喜界徳洲会病院の搬送先は、地理的に近い県立大島病院が多い。

一方、奄美群島最南端で沖縄に近い与論島の与論徳洲会病院は6月中旬時点で、奄美ドクヘリによる島外搬送事例が5件あるが、いずれも沖縄の医療機関。うち2件は南部徳洲会病院だ。ひと口に奄美群島の離島といっても、奄美大島との距離・時間(図参照)により、運用の中身は違う。各病院の状況を見てみる(いずれも6月中旬時点)。

搬送時間が大幅に短縮 救命率の向上など期待

奄美ドクヘリの基地から各離島までの距離・所要時間

運航初日に小児の患者さんを奄美ドクヘリで、鹿児島大学病院に島外搬送を行った徳之島徳洲会病院。以降24件の島外搬送があり、奄美ドクヘリが17件を占めている。うち15件は県立大島病院など鹿児島県内の医療機関に搬送。沖縄県への搬送は2件。沖縄への搬送は前年までと比べて減少傾向にある。

「だいぶ搬送時間の短縮につながっています。患者さんの負担軽減や救命率の向上が期待できます」と徳之島病院医療福祉相談室の加藤道孝相談員。沖縄ドクヘリの時代には搬送要請してからヘリ到着まで1時間半前後かかることが多かったが、奄美ドクヘリでは早い時には要請から到着まで20~30分とスピーディだ。

喜界病院は奄美ドクヘリで16件の島外搬送。うち2件のみ鹿児島本土に搬送。ほかはすべて奄美大島内の病院。県立大島病院が10件、名瀬徳洲会病院は4件だ。搬送先は以前から両院が多かったが、島外搬送の大半を担っていた沖縄の自衛隊ヘリの出動は大幅に減少。

喜界病院の都一成事務長は「自衛隊ヘリの場合は当院の医師や看護師が搬送先まで同乗、戻るまでの半日~1日はマンパワーの低下が避けられませんでした。また、要請から2~3時間ほどかかっていました。奄美ドクヘリは要請から15分ほどで到着します。搬送時間の短縮に加えて搭乗医師が来てくれるため助かっています」と話す。

名瀬病院の峰元達也・地域医療連携室課長補佐は「当院は幅広い診療科で救急搬送を受け入れており、奄美ドクヘリに関しては現在、主に喜界病院や徳之島病院といった徳洲会グループ病院からの搬送を受け入れています。搬送時間の短縮など離島救急の環境の向上を感じます」。奄美ドクヘリの導入で同院へのヘリ搬送が増加する可能性がある。今後、受け入れを通じて離島救急に一層貢献していく考えだ。

奄美群島をカバーするドクターヘリが運航開始 奄美群島をカバーするドクターヘリが運航開始

奄美ドクヘリで5件の島外搬送事例がある与論病院。「奄美ドクヘリ導入後、ランデブーポイント(離着陸場所)の指定が増えたほか、奄美-与論間でホットラインができたので、以前より島外搬送をめぐる環境は良くなっていると思います」と牧均事務長は感想を漏らす。

奄美大島と沖縄のおおむね中間に位置する沖永良部島では運航開始後、沖永良部徳洲会病院で26件の島外搬送があり、14件が奄美ドクヘリ、ほかは自衛隊ヘリなど。西静哉事務長は「脳血管疾患をはじめ従前同様に今でも沖縄の医療機関への搬送が多いですが、以前よりは少しずつ小児科などで奄美大島に搬送する機会も増えてきました」と説明。14件のうち9件は南部病院や中部徳洲会病院をはじめとする沖縄の医療機関で、5件は県立大島病院だ。

徳洲会グループは十分なマンパワーの確保が難しい離島病院を支援するため、主に都市部の病院に所属する医師などが離島病院を訪れ診療支援を実施。この効率的な移動を助けているのが軽飛行機「徳洲号」だ。拠点の沖縄―離島間を結び、1987年の導入以来、現在で5代目。地域の関係機関などと連携を取りながら、徳洲会グループは今後も離島救急をはじめ地域住民の安心・安全に貢献していく考えだ。

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