徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2016年(平成28年)3月7日 月曜日 徳洲新聞 NO.1021 四面

ココロもカラダもいきいき
どこでもカンタン予防体操⑥
あいうべ体操で口呼吸防止

口腔(こうくう)内が乾燥している場合、雑菌やウイルスが舌や咽頭(いんとう)に付着しやすく、風邪やインフルエンザにかかる可能性が高まります。高齢で全身状態があまり良くないと、ちょっとした風邪が長引いて、そのまま寝たきりになってしまうケースも少なくありません。口腔体操2回目の今回は、口腔内乾燥を招く「口呼吸」を防止するための〝あいうべ体操〟を紹介します。

阿部勤・茅ヶ崎徳洲会病院リハビリテーション科主任 阿部勤・茅ヶ崎徳洲会病院リハビリテーション科主任

唾液には①雑菌やウイルスが舌や咽頭に付着しにくくする、②唾液に含まれる免疫成分が雑菌などを殺傷し口中を清潔に保つ、③食べ物を飲み込みやすくまとめる、④でんぷん質を消化する、⑤口の動きを滑らかにし、発語しやすくする――など、さまざまな効能があります。

しかし高齢になると唾液の分泌量が減るうえ、口まわりの筋肉が衰えて口を薄く開いた状態でいることが多くなり、自然と口呼吸が増えて口腔内が乾燥しがち。口腔内が乾燥していると、風邪を引きやすくなったり、口中に細菌が増えて口臭が悪化したり、発語のしにくさから話をしなくなり、認知症を招いたり、口中内の細菌が誤嚥(ごえん)により気管に入り、誤嚥性肺炎を招いたりしてしまいます。

口腔保湿ジェルを塗ったり水分補給したりするなど、対症療法も大切ですが、鼻呼吸に切り替えることが何より重要。とはいえ、日常動作だけでは、なかなか口のまわりの筋肉を鍛えることができません。

そこで今回は、自然に口が閉じ、鼻呼吸を促してくれる〝あいうべ体操〟を紹介します。これは、みらいクリニック(福岡県)の今井一彰院長が考案した口呼吸予防の体操で、道具がいらず、どこでも簡単にできるのが特徴。

本来、舌は口を閉じた時に口腔の上あごにぴたりと付き、舌先が歯茎に触れるか触れないかくらいの位置で収まるのが正しい状態です(図)。しかし、最近は高齢者だけでなく、固い食べ物を食べる習慣が減ったことなどから若年層でも舌筋が衰え、舌が下あごに垂れて舌先が下の歯に付いてしまっている例も珍しくありません。

舌筋を鍛え、舌が上あごにぴたりと付くようになると、口からの呼吸の道が閉ざされ、自然と鼻呼吸ができるようになりますし、ふだん使っていない口まわりの筋肉を動かすことで表情が豊かになり、加齢による頬のたるみが改善するなど、女性にとっては嬉しい美容効果もあると言われています。

まず「あ」、「い」、「う」で口まわりの筋肉の準備体操をし、「べ」で思いきり舌を出します。思い切り口を開いたり閉じたり、舌を出したりすると、舌や頬の筋肉に痛みを感じると思いますが、筋肉痛になるくらいが効果的。

ただ、むせたり、顎(がく)関節症などであごを大きく開くことができなかったりする場合は「い」と「う」のみを繰り返してください。

毎日欠かさず「あいうべ体操」
※一連の動きを1セットとし、2~3回に分けて1日30セット以上

①のどの奥が見えるくらい口を大きく開いて「あー」と声を出す

②前歯が見え、頰の筋肉が両耳に寄るくらい口を大きく横に開き「いー」と声を出す

③唇をとがらせ、前方に突き出すようにして「うー」と声を出す(口を一文字に結ぶだけでは大きな効果が得られない)

④思いきり舌を出して「べー」と声を出す(あごを大きく開くのが難しい場合は、舌を上下左右に運動させてもOK)

※写真は茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)の井上彩加・作業療法士

PAGE TOP

PAGE TOP