写真と私

共愛会病院 5階西病棟 看護副主任 :木村 太一

看護のやりがいと心の空白

看護師という仕事には、たくさんの魅力があります。
私が働く病棟では、最期の時間を迎える患者さんが多くいらっしゃいます。ご本人の想いに寄り添いながら、ご家族と一緒にその方の人生を見送ること。その時間に立ち会えることは、決して派手ではありませんが、深く心に残るやりがいです。でもある時、ふと気づいたんです。やりがいを感じながらも、自分の中にどこか“ぽっかりとした空白”があることに。
仕事に追われる日々の中で、感情にふたをして、笑顔の奥に疲れが隠れてしまうこともありました。

そんな中、私はカメラと出会いました。

カメラとの出会い

家族写真や七五三などの撮影を通して、レンズ越しに人の笑顔にふれるたび、心がじんわり温かくなるのを感じました。子どもが、くすっと笑う瞬間、家族が見つめ合う目線、記念日に重ねられた想い。どの場面にも、その人らしさや優しさが溢れていて、私まで幸せな気持ちになっていました。
気づけば、カメラを手にすることが、私の“心のリフレッシュ”になっていたんです。


ふたつの「向き合う」が紡ぐ私らしさ

写真を撮ることで、自分の気持ちに素直になれたり、切り替えができたり、また看護の現場に戻る力が湧いてきました。
看護も写真も、どちらも人と向き合う大切な時間。どちらか一方ではなく、どちらもあるからこそ、私は今、私らしくいられる。
レンズ越しの笑顔に支えられながら、私は今日もナース服に袖を通しています。