徳田虎雄・医療法人徳洲会名誉理事長のご訃報に接し、ここに謹んで、衷心よりお悔やみ申し上げます。

徳田先生は1973年1月、35歳で大阪府に徳洲会第1号病院の徳田病院（現・松原徳洲会病院）を立ち上げられ、以来40年間、理事長として徳洲会グループの舵取りに尽力されました。今や徳洲会は76病院を含む400施設余りの医療・介護・福祉施設を全国に展開する国内最大の民間医療グループに成長を遂げていますが、これもひとえに、徳田先生が“生命（いのち）だけは平等だ”の徳洲会の理念を掲げ、同じ志をもつ仲間とともに、患者さんのために誠心誠意、努力されたからにほかなりません。

とくに徳田先生は鹿児島県の離島、故郷の徳之島をはじめとする離島・へき地での病院建設に邁進し、医療過疎地の医療充実に熱心に取り組まれました。これに加え、NPO法人TMAT（徳洲会医療救援隊）を創設し、国内外の被災地で災害医療活動を行ったり、開発途上国での病院建設など国際医療協力にも力を注がれたりしました。

こうした活動の原点には、徳田先生が小学生の時分、幼い弟を夜間、医師に診てもらえずなくされた悲しみや怒り、恐怖がありました。ここから、徳洲会の理念が生まれ、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を実現するため、国内外で医療改革を推進することになったのです。

私たち徳洲会グループは、徳田先生が掲げた徳洲会の理念と、残された大いなる遺産を受け継ぎ、患者さんのために、安心、安全で質の高い医療を実践してまいります。

徳田虎雄先生、お疲れ様でございました。安らかなお眠りを心よりお祈り申し上げます。