ピアレビュー
Peer review
Peer review
徳洲会Peer Reviewの施行は、試案作成に際して参考事例も見られなく、Peer Review実行委員会で独自に組み立てたものであり、日本で最初のものと言えます。現在の国内の医療状況を勘案し、できるだけ簡易なもので実行可能な制度にするために、案作成に1年を要しました。
その後、1年間かけて徳洲会脳神経外科部門の全国29病院を対象として試行し、改善に鋭意努力してまいりました。最終的に平成30年4月に全科を対象とした病院全体のPeer Reviewに移行していきますが、まだまだ解決すべき問題は多々あり、皆様のご助言のもとに今後漸次改善して行く予定です。
現時点で重要なことは、このPeer Reviewは欧米で行われているような個人が個人を評価するという個人対象のものではないということです。それは米国で行われているような法律(1986医療の質の改善に関する法律:Health Care Quality Improvement ACT や Medical Staff By-Laws)のもとに評価者を保護するような法律は日本には存在しないためです。また、Peer Reviewは個人的見解に基づくものでなく、徳洲会の中で独立したsystemで行われるものであり、あくまで提示させていただいた7評価項目の成績を対象としたものです。
全体の平均より大きく下回っている病院にはPeer Review実行委員会の名のもとに病院を訪問し、病院幹部ならびに科の責任者と「原因」を協議し、解決の道を探り、病院あるいは科全体の改善のアドバイスを行います。
したがって、個々の手術適応、治療方針、治療結果、医療チームとしての問題(パワハラ等)、医師としての倫理観等の問題は含まれていません。米国でなされているような個人が個人を評価するPeer Reviewではすべてこれらの問題は評価対象になりますが、現時点では個人評価に至っておりません。したがって個々の医師の問題は個々の病院が解決していただく事になります。