岡 進(笠利病院院長)

徳洲新聞2013年(平成25年)2/4 月曜日 NO.863

職員たちに懸命にメッセージを伝える 徳田虎雄理事長の姿に胸が熱くなった 地域の皆様に支えられ笠利病院の今があることを痛感

昨年11月2日、徳田虎雄理事長が笠利病院の朝礼にみえました。職員と、隣接するグループホーム美笠のスタッフ、そして徳田理事長の到着を心待ちにしていた地域住民の方々が盛大な拍手で迎えました。郷里・奄美を思う心と、この奄美で「弱きを助け、悪しきをくじく」、「生命(いのち)だけは平等だ」の理念が生まれたことを職員に伝えるため、命懸けのスケジュールのなか、職員にメッセージを伝える理事長の姿に胸が熱くなりました。

当院を出発する時も一人ひとりに気を配られ、「また来てください」と涙ながらに理事長を見送る地域の方たちの姿を見て、改めて地域の皆様に支えられ笠利病院の今があることを痛感しました。

2008年4月に当院院長として赴任した私は、地域の患者様の穏やかな性格に驚かされました。外来が100人を超え、長時間待たされても診察時にはねぎらいの言葉をいただきました。都会の人間関係とは無縁で医療過疎(かそ)を知る住民の方々から、医師を大事にしなければならないという思いを強く感じ取りました。

当院は、徳洲会グループ奄美ブロックの地域医療・福祉の一翼を担っています。地域での役割を考えながら、島で暮らす人たちの医療に対する思いに応えるため、常勤医師と非常勤医師各1人、歯科医師2人(うち1人はグループ施設からの応援)、職員総勢111人に加え、グループ内外の連携により、ニーズに合わせた医療・福祉サービスを提供できる体制が整いました。

「ダイエット外来」では栄養と日常生活の指導を

当院は、とくに奄美ブロックの中心施設である名瀬徳洲会病院から同院の松浦甲彰(まつうらこうしょう)院長の指示の下、医師、看護師・コメディカル、事務職の応援を得ています。

今回の「直言」の原稿締め切り間近の1月25日は、外来患者様が267人でした。内訳は、歯科52人(宇治徳洲会病院の若い先生たちの働きが大きく、外来患者数は増加傾向にあります)、訪問看護20人、訪問介護・リハビリが各25人、通所リハビリ27人、眼科39人、皮膚科29人、私が診た患者様が90人でした。自分自身の平均外来患者数は66人で、もっとも多い時には121人も診察したことがありました。

訪問看護・介護も増加傾向にあり、特別診療の眼科・皮膚科も長年同じ医師が応援に来ているため、患者様からは大きな信頼を得ています。自分自身の患者様の数が多くなった理由は、ペインクリニック、鍼治療、漢方治療を組み合わせ、このなかで生まれた「ダイエット外来」にあります。栄養指導・日常生活指導も組み合わせた、このダイエット外来を今年5月末日からの日本東洋医学会学術総会で報告します。

さらに静脈瘤(りゅう)硬化療法、陥入爪(かんにゅうそう)ワイヤー療法なども行っています。患者様の絶対数がじわじわと増加し、昼食も満足に摂れない状況です。病棟診察や訪問診療を行っているため、朝から晩まで休みなしで働いています。

透析センターの開設にグループ各施設が協力

11年3月、奄美大島北部地域から要望があった透析センターを、グループ各施設からの協力を得て開設しました。今まで1時間以上かけ週3回透析に通われていた患者様が、車なら10分以内で来院できるようになったため、患者様とご家族に喜ばれています。

今年2月には透析室に常勤の臨床工学技士が入職、週3回の透析から週6回の透析が可能となり、現在の登録患者数11人の2倍の受け入れが可能になりました。さらに12年7月、東天城クリニックの19床を譲り受け、医療療養型70床から89床に増床して運用することとなりました。これにともない、職員を増員、病棟を改装、ベッドなどの機材を購入。昨年5~6月は経営状態が事業計画を下回りましたが、翌7月以降は順調に計画をクリアしています。

職員は病棟職員として地元出身の看護師、准看護師、介護福祉士などを増員しました。結果、地域の雇用創出に微力ながら貢献できたと自負しています。目標は、常勤医師をあと1人確保し、急性期病床を設置して医業収入を現行の5割増加にすることです。さらにペインクリニックに、ぜひとも必要なMRI(磁気共鳴画像装置)の導入も検討中です。小規模病院だからとグループ施設に甘えず、離島ならではの地域密着型の医療を展開し、「生命だけは平等だ」の理念の下、健全な病院経営を目指していきます。

皆で頑張りましょう。