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徳洲新聞2005年(平成17年)8/15 月曜日 NO.480
直言 徳洲会の使命は途上国に早く多くの病院を設立すること
~“患者中心の医療”活動が世界平和に繋がることに誇りを~

徳田 毅(特定医療法人徳洲会理事)
 7月13日から、 大嶋院長一行で、リビア、エジプト、アルジェリア、モーリタニア、モロッコ、ガボンを訪問してきました。
 今回の視察で一番感じたことは、モーリタニアのスラム街で、私達の周りに集まってきた裸足の子供達に接した時「私は日本に生まれ何不自由なく、恵まれた生活を送ってきた。彼らはこの国に生まれたせいで、その日の食糧にも困る厳しい生活を強いられている。日本に生まれて良かった」と素直に思うと同時に「私は彼らに何ができるか」と真剣に考えさせられました。医療に恵まれない国に病院を建て、病んで困っている人々への奉仕を目的とする徳洲会グループの一員として、各国と協力関係を進めることに使命感を持って謙虚な姿勢で臨まなければならないと痛感させられました。
 最初のリビアでは、昨年の12月に来日された、カダフィ財団のアズワルド理事達の出迎えを受け、病院建設候補地を見学。
 カダフィ大佐率いるリビアは石油資源が豊富で経済は豊かですが、03年まで国連、04年まで米国からの経済制裁を受け、最近国際社会に復帰したばかりで、諸外国との関係強化を目指しています。国内では最低限保障する医療制度の見直しも始め、徳洲会との病院建設で医療保険制度も新しくできればと期待されています。
 エジプトでは、今年3月に来日した厚生省を中心とする医療視察団のメンバーと再会し、病院建設候補地や病院を視察。タグアルデン厚生大臣と面談し、大臣は「来年からは国民皆保険になる予定で、政策の柱に医療と観光を連動させたシステムを目指しています」と。
 実際、世界四大文明の一つのピラミッドやスフィンクスの前では、ラクダの背中でコブにしがみつき、振り落とされそうな恐怖に耐えながらも、当時の人々の英知と偉大さに感動と興奮を覚えました。さらに、夜中12時からのナイル川の船上ディナー等、観光資源は豊富です。

指導者の決断と実行力が国民に希望と幸せをもたらす
 モーリタニアでは、 医科大学がなく、医師の育成は国外に頼っています。昨年11月、レミイン厚生大臣を団長に7名が徳洲会を訪れ、医科大学と病院を協力してつくる合意書を交わしており、現地では医科大学と病院建設の候補地を視察しました。
 モーリタニアの徳洲会への期待は大きく、厚生大臣は私達の訪問に合わせてフランスでの日程を切り上げて帰国。「この貧しい国が病院建設資金を調達するのは簡単ではないが、私達は素晴らしいパートナーを得ました。徳洲会の協力により、我が国に医科大学と病院ができると信じています」と。
 アルジェリアは、厚生大臣との意見交換で、物心両面での整備が必要だと知り、モロッコでは、医療改革中で民間病院開設には法律的な問題もあり、両国とは今後、医療交流を行い、理解を深める必要があると感じました。
 徳田虎雄理事長の「病院建設も結婚と同じでお互いがその気になり、情熱的にならないとうまく進まない」の言葉通り交流を重ね、理解を深めることが大切だと痛感しました。
 7月25日には、ガボンで600床の病院の地鎮祭を行いました。オベンドウ市にある国内唯一の医科大学に隣接した土地に、5階建ての医科大学教育研修病院をつくる構想です。ボンゴ大統領の勅命を受けた病院設立委員会が短期間で具体化させ、調印からわずか2年5カ月で地鎮祭を迎えました。ガボンの民族舞踊と音楽で歓迎される中、オベンドウ市長の「国が発展し国民が幸せになるには、医療が大切です」の挨拶で始まり、次に私が徳田理事長の代理でスピーチをさせていただきました。その中で“生命だけは平等だ”の理念と“患者中心の医療”を世界展開するために全力投球していることや、アフリカで最初の病院がガボンなのは大統領の強力な指導力と政府関係者の熱意の賜物であることを話し「高度医療を提供し、優秀な医師を育てる病院として永続できるノウハウを共に学びましょう。この病院で得た利益は一円も日本に持ち帰らず、ガボンや中央アフリカの医療福祉のために役立てます。誰もが最善の医療を受けられる社会を目指して共に頑張りましょう」と述べました。鈴木専務を筆頭に我々一同とガボンからの研修団が、フランス語と日本語で海外初の理念の唱和を行いました。その後医科大学学長が挨拶で「『夢は実現します』。この病院は大学研修病院としてガボンと中央アフリカの医療福祉に貢献するはずです。徳洲会と共に必ず実現しましょう」と話されると、高等教育大臣も「我々の使命は教育です。この病院によって近い将来、我々ガボン国民は良い医療が受けられるようになります」と喜びを表し、大統領から直接指名を受けたエマヌ首相と一緒にブロックをコンクリートで固める儀式で地鎮祭は終わりました。

シュバイツァーの人生に感激し徳洲会運動に力が
 翌日、 大統領が用意した200人乗りのチャーター機でランバレネへ移動し、出迎えた知事や院長の案内でシュバイツァー病院を見学。多くの患者が手漕ぎの丸太舟で来た船着場を見下ろす丘の博士夫妻と仲間達の墓前では、神聖さと博士達の慈愛に満ちた人生に思いを馳せ、皆言葉を失いました。施設はその遺志を受け継ぐボランティアに支えられており、博士の“生命への畏敬”という理念は、徳洲会の“生命だけは平等だ”の哲学に相通じると感じました。
 アフリカでは、今日も小さな子供達をはじめ、多くの命が失われています。その現実を私たち日本人は頭では理解していても、実際に行動に移すことができないのが現状です。徳洲会は医療を通じて具体的に、直接的に途上国の病気で困っている患者さまに役立てる力とノウハウがあります。
 国内での徳洲会の仲間の地道な医療活動で培って得た信用を元に、世界中に病院をつくることが多くの人々の命を救うことに繋がります。職員の皆さまには、毎日の業務で辛いこともあると思いますが、皆の努力が、目の前の患者さまに役立つと共に世界中の病んでいる人々に貢献でき、世界平和に繋がることに誇りを持って頂きたいと思います。
 皆で頑張りましょう。
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