徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

医療法人徳洲会 理事長
一般社団法人徳洲会 理事長
東上 震一(ひがしうえしんいち)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

東上 震一(ひがしうえしんいち)

医療法人徳洲会 理事長 一般社団法人徳洲会 理事長

2025年(令和7年)01月01日 水曜日 徳洲新聞 NO.1473

すべては医療・介護を求める人のために
常に前進する意欲と謙虚な堅実性を尊ぶ
徳田イズムの種を徳洲会イズムが育て咲かせる

2025年の年頭にあたり、24年の振り返りと、これからの徳洲会の方向性について、お話しします。24年は、徳洲会にとって嵐のような一年でした。何より、私たちの偉大な創業者、徳田虎雄・名誉理事長が7月10日に逝去されたことです。20年以上に及ぶALS(筋萎縮性側索硬化症)との闘病の末とは言え、私たちにとって精神的支柱でもあった徳田先生の存在が失われたことに、多大な喪失感を感じると同時に、徳洲会の一つの時代が終わったことを強く印象付ける節目の年でもありました。

徳洲会運動の正しさと必要性が 確実に時代とともに増している

もちろん、徳洲会が新たに生まれ変わるわけではありません。むしろ、徳田先生が一貫して唱え続けた弱い立場の人、社会的弱者の側に立った医療を推進し、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会の実現を目指す」という徳洲会運動の正しさと必要性が、時代とともに増していると言えます。今こそ、寸分も揺らぐことなく、無私の心で徳洲会の理念を守り、発展させていく時だと考えます。

徳田先生は1973年に徳田病院(現・松原徳洲会病院)を開設してから2013年に徳洲会の理事長職を退かれるまでの僅か40年足らずの間に、猛烈な勢いで病院や介護系施設をつくり、ほぼ今の徳洲会グループの形をつくられました(松原病院~成田富里徳洲会病院までの67病院が徳田先生の采配下)。この間、創業期を支えた多くの幹部は、病院建設のあまりの速さを危惧し、もっと身の丈に合う財政的なバランスを考えたうえでの病院建設をという考えだったようです。事実、ステークホルダーである銀行も、当時、赤字運営であった湘南鎌倉、千葉西、札幌東の各徳洲会病院を閉鎖し、グループの財政立て直しを先決するという意見でした。徳洲会の幹部はもとより、経済の専門家たる銀行も、急速な拡大方針に異を唱えたのです。

「何が何でも病院をつくらなければならない。徳洲会をもっと拡大しなければならない」という思いに駆り立てられるように走りまくったのは、徳田先生唯一人でした。常人には理解し難いこの焦燥感を共有できたのは、恐らく誰もいなかったのではと思います。「徳洲会病院は医師、医療者の理想なしには存在しない。医療に対する誠実な努力と献身が成功を生み出す」――この極めて単純な病院運営の本質を最初の著書『わが語録、真実を求めて 生か死か』に、徳洲会方式:Tokushukai Wayとして明記されています。

この理論の下、命を懸けて徳田先生は行動したのです。そして、それが結果として、患者さんの身も心も救う施設を日本中に、国境を越えて世界中につくる今日につながっているのです。徳洲会の医療人として、このことは私の本懐でもありますし、また徳田先生の焦燥を少しは共有できる自分になっていることを自覚しています。

徳洲会創立51年目からの新しいチャプターが始まっています。25年も徳洲会グループのさらなる成長を目指し、何事にも積極的に取り組み、自分の目で見て、判断し、行動していきたいと考えています。同時に、半世紀が経過した私たち自らの体制にも目を向け、足元を固め、構造的な抜けがないか、皆で検証していきたいと思います。一人の天才が真理に気付き、そして猛烈なリーダーシップで皆を引っ張り、“Tokushukai Way”を具現化したのが、今の徳洲会グループなのです。

一方で、その成長を支えたのは、職員一人ひとりの医療に対する誠実な貢献、努力であったことを肝に銘じ、“患者さんのために”が、あらゆることに優先できる徳洲会の風土を守っていきたいと考えています。

人のためになって生きるとともに 徳洲会の人間であることに誇りを

組織は、人によって始まり、人によって成長する――。徳洲会グループも、まさに徳田虎雄という不世出の才能によって誕生し、その才能に引き寄せられた多くの人々の努力によって、成長を続けています。集団の成長は、それを構成する個々人の成長の総和でもありますから、徳洲会職員一人ひとりの成長が、徳洲会の成長を担保するとも言えます。

人のためになって生きる医療者であること、徳洲会の人間であることに誇りをもって、力を合わせれば、大きなことが成し遂げられると信じています。徳田イズムが蒔いた種を徳洲会イズムが育て、花を咲かせる時です。日本を代表する医療集団を目指し、皆で頑張りましょう。

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