徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

榛原総合病院(静岡県) 院長
森田 信敏(もりたのぶとし)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

森田 信敏(もりたのぶとし)

榛原総合病院(静岡県) 院長

2024年(令和6年)08月05日 月曜日 徳洲新聞 NO.1452

徳田・名誉理事長に助けてもらった当院
地域に愛され信頼される病院へ努力継続
地域密着型病院として診療内容を一段と充実へ

巨星が逝かれました。徳洲会創設者の徳田虎雄・名誉理事長のご逝去、とても残念です。牧之原市と榛原郡吉田町で構成する榛原総合病院組合が開設した当院が、徳洲会指定管理となる前年の2009年、膨大な累積赤字で銀行からの追加融資を断られ、市ごと倒産しそうな状況でした。当時の市長が職員を集め「4カ月後の皆さんの給料が市にはありません」と言われた時の衝撃は、これまでも何回か「直言」に書かせていただきました。まさかの市立病院の倒産です。市長が徳洲会に支援のお願いに上がった時、あまりの状況の悪さに幹部の先生方全員が反対されるなか、徳田先生だけが「誰も助けないなら徳洲会が助けなければ」と話され、半ば強引に当院救済へ舵を切っていただいたと聞いております。当院と牧之原市にとって、徳田先生は、まさに大恩人です。

7月に念願かないHCU開設 当院のレベルアップの一助に

私は15年に院長になり、早いもので10年目になります。いったん潰れかけて人も物もなかった病院ですから、後方支援病院として生き残るのも一つの選択枝であり、確かにそのような圧力もありました。しかし、当院のような地域密着型公的病院は、単に収益を上げて生き残るだけではなく、自院医療圏のさまざまなステージでのニーズに、救急を含め満遍なく対応できる能力を維持すべきと考えます。回復期の整備を進め、18年に回復期リハビリ病棟、23年には地域包括ケア病棟を開棟し、救急から急性期、亜急性期、慢性期、健診、在宅と、全ステージが自院でシームレスに対応できる体制を整備しました。

しかし、高度急性期病棟がありません。私としては若いスタッフに、命に直結する高度急性期の経験を積んでもらいたい気持ちがあり、いつか、その場を提供できたらと考えていました。

ICU(集中治療室)としてつくられ、倉庫として眠っていたスペースを再整備し、今年7月に念願かなってHCU(高度治療室)として開設できました。当院のレベルアップの一助になるよう大いに期待しています。

当地にはサーフィンで有名な静波海岸があります。その近くにある全国初の人工波サーフィン専用プールは、東京オリンピックで米国女子チームの事前合宿地にも選ばれた立派な施設です。

第1回徳洲会カップが大盛況! 徳洲会内外から多数参加し交流

そこを会場に6月16日、徳洲会内外の医療従事者が参加する第1回徳洲会カップを開催しました。きっかけは牧之原市の杉本基久雄市長から「せっかくの施設が近くにあるので、徳洲会で医療関係者の大会をやってみてはどうかね」と、提案をいただき、東上震一理事長にご相談したところ、快く徳洲会主催(牧之原市共催)という形で、ご許可いただきました。競技だけでなく、日頃お世話になっている地元の皆さんにも楽しんでいただけるお祭りにしようということになり、駐車場をイベント会場としてステージを設置。地元の幼稚園、学校の生徒さんらのダンスや吹奏楽、太鼓、婦人会のフラダンス、大道芸などが行われました。軽トラ市、キッチンカー、キッズコーナー、TMAT(徳洲会医療救援隊)のブースなどもあり大変好評でした。

競技には全国から多数の医療関係者に参加いただきました。選手構成も徳洲会所属と他の医療機関所属の方が半々ぐらいで、地元の開業医の先生にもエントリーいただくことができました。サーフスポットである静波地区を全国に発信し、サーフィンを愛好する医療関係者の交流の場をつくる、広く医療関係者に当院を知っていただくという私たちの思いに沿った形になりました。競技会場では早朝から熱戦が繰り広げられ、国際大会以上の来場者がありました。東上理事長も観戦され、表彰式では記念品の贈呈を担っていただきました。イベント会場も地元の方々2,000人以上に来場いただき、大盛況でした。最後は東上理事長、杉本市長に参加いただき、ステージからの餅撒きで締めました。選手として参加された地元の先生からは、「徳洲会はやっぱり凄いよ」と、お褒めの言葉をいただき、徳洲会と当院の存在感を示せたと、うれしく思った次第です。

当院は今後も診療内容のさらなる充実に努め、地域密着型の病院として地域に愛され、信頼される病院になるよう努力していく所存です。

皆で頑張りましょう。

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