徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

宇和島徳洲会病院(愛媛県) 院長
松本 修一(まつもとしゅういち)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

松本 修一(まつもとしゅういち)

宇和島徳洲会病院(愛媛県) 院長

2023年(令和5年)08月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1403

医師・看護師集めが喫緊の課題
インスタはじめ広報活動に全力
「ぜひ宇和島に足を運び魅力に触れて!」

今年4月に当院院長を拝命しました。当院には2021年6月から断続的に応援勤務の後、22年4月に副院長として赴任しました。

私は1999年に初期研修医として福岡徳洲会病院に入職後、内科で研修し、2003年から1年間、専門研修として国立病院機構長崎医療センターで肝疾患について研修を行い、04年4月からは、ほぼ福岡病院の内科に勤務しました。肝疾患を志したのは、初期研修終了後の内科研修中に肝細胞がんのラジオ波焼灼療法(ラジオ波により病変を焼き切る治療法)を数例経験したことがきっかけでした。ラジオ波焼灼療法を極めたいと思い、インターネットで肝疾患の診療や研究が盛んな病院を検索したところ、長崎医療センターを見付け、ホームページに「レジデント募集」のリンクが貼られていたので応募しました。当時、募集などを担当されていた先生は、ホームページにレジデント(後期研修医)募集ページをつくってはみたものの、応募があるとは思っていなかったとのことでした。同センターの肝臓内科は大学派遣がほとんどで、私みたいな大学と関係ない医師からの応募は初めてだったそうです。福岡病院の内科は、当時も慢性的な人材難でしたので、研修に出るといっても1年で戻るように念を押されていました。同センターで面接を担当していただいた先生からは、レジデントの研修期間は3年と告げられましたが、私の事情を話したところ1年でも良いとの返事をいただきました。

福岡病院での勤務時代に 「肝臓内科」を掲げ診療

当時、ラジオ波焼灼療法のことしか、ほとんど知らなかった私は、同センターで肝疾患の奥深さを知らされました。まず、肝臓がんの治療をしたいと自己紹介すると、肝がんの治療も大切だが、肝がんを予防することこそ大切だということを教えられ、ウイルス性肝炎をはじめとした多くの急性・慢性肝疾患の経験をさせていただきました。C型肝炎は、ちょうどペグインターフェロン(従来と比べ持続性が高く週1回の投与可能)が発売になる頃でしたし、B型肝炎は核酸アナログ製剤(ウイルスの増殖を直接阻害)治療が確立されてきた時期でした。もちろんラジオ波焼灼療法には、ほぼ全例参加させていただきました。1年の研修では足りないと考え始めた頃、福岡病院の上司から「来年はまた一緒に頑張ろう。ありがとう」と電話をいただき、同センターでの研修を延長したいとは言えず、1年で福岡病院に戻りました。

同院に戻ってからは「肝臓内科」と名乗って診療を行いました。1年の研修では肝疾患の専門とは、とても言える状況ではありませんでした。同院に戻ってからのほうがたくさん勉強しました。長崎医療センターで指導いただいた先生方には、1年しか在籍しなかったにもかかわらず、多くの症例相談や学会指導などを約20年にわたって継続していただいています。私が消化器専門医、肝臓専門医を取得するためのお世話もしていただきました。

定期的に肝疾患の外来診療を 喜界病院と徳之島病院で行う

縁あって鹿児島県の離島にある喜界徳洲会病院に約20年間、徳之島徳洲会病院に約15年間、定期的に肝疾患の外来診療(主にウイルス性肝炎)を継続させていただいています。

福岡病院では、気が付けばホームページに「肝臓内科」のページを設けていただき、標榜科にもしていただきました。私一人ではできないことは、内科の先生の力を借りながら肝臓内科を運営しました。周りのスタッフにも支えていただきました。同院幹部の先生方にも私の活動に関して黙認を続けていただいたことに感謝しています。私が宇和島病院に異動し、福岡病院の肝臓内科が消滅したことが残念です。

今回、院長として宇和島病院にお世話になることになりました。これまで受けたたくさんの恩に報いることができるように、一内科医師としても頑張っています。宇和島地域は人口減少、高齢化率上昇に苦しんでいます。また、深刻な人材不足に悩んでおり、とくに医師・看護師集めが喫緊の課題です。少しでも宇和島の魅力に触れ、宇和島に興味をもっていただき、足を運んでいただけるように、インスタグラムをはじめとした広報活動に全力で取り組んでいます。皆様、ぜひ宇和島に足を運んでみてください。そして、その魅力の“沼”にはまってください。

皆で頑張りましょう。

PAGE TOP

PAGE TOP