徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

医療法人徳洲会 理事長
一般社団法人徳洲会 理事長
東上 震一(ひがしうえしんいち)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

東上 震一(ひがしうえしんいち)

医療法人徳洲会 理事長 一般社団法人徳洲会 理事長

2023年(令和5年)01月04日 水曜日 徳洲新聞 NO.1371

“徳洲会の社会運動”への貢献が人を育む
グループ間の支援・人材交流を積極的に
強固な協力関係の構築こそが明日を約束

年頭にあたり、未だ残るコロナ禍のなか、全職員の医療・介護・福祉に対する真摯な努力に感謝の意を表します。本当にありがとうございます。

新年を迎えました。職員の「あけましておめでとうございます」の紋切り型の挨拶に対し「何がめでたいのか」と反問された徳田虎雄・名誉理事長の365日・24時間、命懸けの張り詰めた生き方を想います。病に苦しむ人に“正月”という安逸がないのと同様、“生命だけは平等だ”の理念の下、最善の医療を受けられる社会の実現を目指す徳洲会の理事長にも、安逸の時はないとの自戒を込めて、名誉理事長のこのエピソードを思い出しました。

島内完結型医療を追求

12月11日、徳之島徳洲会病院の新築移転地鎮祭が催されました。驚くほど晴れわたった青空の下、白波立つ太平洋と、徳田虎雄顕彰記念館に相対するこの地に峻立するであろう新・病院に思いを馳せました。37年前、同院開設時、島の皆さんは奇跡だと、驚きの声を上げられたと聞きます。再びの奇跡を徳田・名誉理事長の意を受け継ぐ私たちで成し遂げます。理事長になる前に安富祖久明・前理事長(現・最高顧問)の配慮で2カ月というわずかな期間でしたが、同院院長として過ごす貴重な時を得ました。梅雨時に煙る早朝の海を眺めながら、昔、この大洋の向こうへ行きたいと願った幼少の名誉理事長を思いながら、自分と徳洲会の未来を考えました。

「東雲の 亀津の沖を過ぎし船 我一人立ち明日を想う」

たとえ再び島の皆さんが驚くような病院をつくっても、奄美群島の徳洲会病院群を取り巻く医療状況に大きな変わりはないのが現実です。救命のための島外搬送は、一方で島の皆さんに経済的負担を強いるものでもあります。ドクタージェット機の非経済性を論うより、それを活用して離島に医療を届ける努力を行い、できる限り島内完結型医療を追い求めたいと考えています。また離島・へき地への支援の活発化、具体的には庄内余目病院、名瀬徳洲会病院への循環器スタッフの派遣と交流をぜひお願いいたします。

沖縄ブロックを模範に

“組織はリーダーの器以上に大きくはならない”という言葉があります。以前開催された若手院長・副院長研修でも耳にし、心に残った言です。当時の徳洲会に対する強烈な皮肉であったのか、一般的な組織論の延長線上での発言なのか、その真意は定かではありませんが、今の私には身につまされる言葉でもあります。

ただ、多くの人が言葉を引用する組織論の神様、P・F・ドラッカーは遺作で「人は要求のレベルに応じて成長する。組織は個としての生身の人間の限界を乗り越える手段である」と述べています。リーダーの資質に組織の有様が規定されるのは一面の真実ではありますが、このドラッカーの箴言に従えば“徳洲会の社会運動”への圧倒的な貢献が人を育て、人としての限界を超克し得ることになります。沖縄ブロックの仲間が示す徳洲会への貢献(与論・沖永良部・石垣島・宮古島病院と沖縄本島の北谷病院を助ける姿)は、私たちが模範とすべきものです。最も難しい院長人事をも含める医師人事への対応は、決して容易なものではないはずです。徳洲会の中核病院を預かるリーダーの皆さんには、このことを十分理解していただきグループ間の支援、人材交流に取り組んでいただきたいと思います。

具体的には関西ブロックは岸和田・八尾・宇治病院が中心となり奄美群島、屋久島、種子島の仲間を、関東ブロックは湘南藤沢・湘南鎌倉・千葉西病院が東北ブロックを担い、北海道ブロックは札幌・札幌東病院が同ブロック内の仲間をみる――こうした強固な協力関係をつくり上げていくことが明日の徳洲会を約束すると考えます。全職員はもとより、ブロックを預かるリーダーの皆さんと力を合わせ、徳洲会の未来をつくっていきたい。

あらためてリーダーの皆さんには、徳洲会グループへのさらなる貢献、献身をお願いいたします。皆で頑張りましょう。

医療法人徳洲会 副理事長
八尾徳洲会総合病院(大阪府) 総長
福田 貢(ふくだこう)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

福田 貢(ふくだこう)

医療法人徳洲会 副理事長 八尾徳洲会総合病院(大阪府) 総長

2023年(令和5年)01月04日 水曜日 徳洲新聞 NO.1371

新たなる共感と平和な年になるよう願う

例年のことながら大晦日から正月三が日にかけ、現場で業務にあたられた職員の皆様、誠にありがとうございます。

かねてよりCOVID-19に対するワクチン接種が励行され、感染患者数の減少には至らぬものの、重症化率、死亡率の逓減が得られています。結果、2020年に私たちが共有した恐怖心は少なからず緩和されました。しかし未だ第2類相当の位置付けは変わらず、病院および施設内でのクラスター発生は病床逼迫を招来します。23年も引き続き感染防御のための施策を継続してまいりましょう。

安富祖久明・前理事長(現・最高顧問)は「原点回帰」という言葉を繰り返されました。これは徳洲会創設者の徳田虎雄・名誉理事長と、組織を支えた人々が思いを共にする過程で、結果的に共有された創業時の精神と、同時に併存したであろう異心も含め、その履歴をたどり、そこから学ぶ必要性を説かれたものでした。それは同時に、個人に内在する不誠実と怠惰への警鐘のようにも聞こえました。

東上震一理事長は原点回帰の方針を踏襲、22年秋に、まず離島・へき地での循環器内科診療実動のため医師派遣を提案。これを受け九州1病院、関西3病院、関東2病院から派遣が実現、実務が開始されました。こうした機会に現場での仲間意識、あるべき組織像の共有がなされることが、東上理事長の願いであると理解しています。

派遣先、派遣元共にお互いの気遣いが必須となりますが、この計画が実を結ぶことで、派遣先での新たな人間関係が誕生し、個々人の相互理解が組織を強化して個人の成長にも寄与できますように。“他者の心の内に思いを馳せてみよう。困惑にあれば静かに助け合おう。仲間なるが故に”。皆様と、こうした思いを共有したいと思います。新たなる共感の年になることを願いつつ、平和な年でありますように。

医療法人徳洲会 副理事長
名古屋徳洲会総合病院 総長
大橋 壯樹(おおはしたけき)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

大橋 壯樹(おおはしたけき)

医療法人徳洲会 副理事長 名古屋徳洲会総合病院 総長

2023年(令和5年)01月04日 水曜日 徳洲新聞 NO.1371

全職員が誇りもち仕事に励めるよう尽力

2023年も新型コロナにより、さまざまな制限や障害があり、医療従事者には厳しい日々が続きます。また世界・経済情勢が混沌とするなか、医療にも負の影響が出てくると思います。このような状況下でも、徳洲会グループは東上震一理事長体制の下、一丸となって地域の皆様に安心していただける医療・介護・福祉に全力を尽くします。大きな組織力を生かし医療技術の交流を図り、ガイドラインに基づいた最新の標準治療、そして高度先進医療を、すべての患者さんに行える体制を構築してまいります。また、先端的な医療技術やAI(人工知能)も積極導入し、最新医療を提供できるよう努めます。さらに、徳洲会の巨大なデータベースを基に、さまざまな臨床研究に力を入れ、医学の発展にも貢献します。

23年は徳洲会グループ創立50周年にあたります。徳田虎雄・名誉理事長は“生命だけは平等だ”の理念を掲げ、「夢、希望、ロマン」に満ちた壮大な目標に向かって進まれました。23年は、その理念と強烈な個性に惹かれ、共に進んだ職員の方々の事績を振り返る良い機会でもあります。職員一人ひとりが、徳洲会創立の精神が色褪せることのないよう、その歩みをつねに心に刻みながら、医療を実践してまいりましょう。徳田・名誉理事長の愛に満ちた組織運営と同時に、厳しい経営対策を引き継ぐことも肝要です。

すべての徳洲会職員が誇りをもって、仕事に充実して励めるよう尽力してまいります。幹部の方々には、自施設を最も心配し、最も努力するリーダーになり、他施設との協力連携をお願いいたします。

高度先進医療の実践から離島・へき地医療の充実、国際医療貢献を含め、地域の皆様のお役に立つ医療グループを目指して発展するよう力の限りを尽くしますので、23年もご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

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