徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

医療法人徳洲会 副理事長
湘南鎌倉総合病院(神奈川県) 院長
篠崎 伸明(しのざきのぶあき)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

篠崎 伸明(しのざきのぶあき)

医療法人徳洲会 副理事長 湘南鎌倉総合病院(神奈川県) 院長

2022年(令和4年)05月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1336

変化を求め変化を機会として捉えて
変化を意味あるものにすることが要
「唯一、生き残れるのは変化できる者」

新入職の皆さんはオリエンテーションも終わり、現場に配属され、新しい環境のなかで業務を覚えながら、実りのある忙しい毎日を送られていることと思います。皆さんが身を置いている職場には、職種によらず自然と身に付く徳洲会の理念があります。ぜひ引き継いでもらいたいと思います。そして、徳洲会創業の理念が、これからも語り続けられ実践されていくことが、徳洲会存続の必要条件となります。先日、医師の「働き方改革」の件で、ある離島を訪ねました。夕食を取りに訪れた食堂の女将さんが、セピア色になった30年前の写真を見せてくれました。それは若かりし頃の女将と、徳田虎雄・名誉理事長のツーショット写真でした。女将曰く、「島に応援に来ている若い医師に、よく見せるんだけど、徳田先生に会ったことがない、知らないって言うのよ」。

共通言語として守り続ける “生命だけは平等だ“の理念

2000年初頭に米ボストンにあるMGH(マサチューセッツ総合病院)を見学する機会があり、エーテルドーム(1846年、世界で初めてエーテルによる公開全身麻酔で手術が行われた外科手術用円形劇場)に足を運びました。ここは1821年の開院から67年まで手術室として機能していたとのことです。ふたりのご高齢の語り部(恐らくMGHを引退された教授)が見学者を待ち受けていて、MGHの誇らしい歴史を語ってくれました。200年続く歴史に感銘したのを覚えています。徳洲会は、まだ50年ほどの歴史ですが、これから時代を超えた徳洲会の理念の継承は、各地への展開を目指す徳洲会グループの医療大学にとっても、大きな役割のひとつになるでしょう。

私たちは50年の間、さまざまな環境変化に対応し、私たち自身も変化してきました。

新医師臨床研修制度への取り組み、離島・へき地での研修、出来高払いから包括払い制度への対応、サービス業への転換、医療講演・企業訪問などマーケティング活動、電子カルテ導入による共通プラットホームの構築、クリニカルパス(診療計画表)の実施、在宅診療の早期導入、介護保険制度により「措置」から「契約」への転換、介護保険施設の建設、TMAT(徳洲会医療救援隊)の活動。

また、オーダーメイド(個別化)医療プロジェクトへの参加、化学療法レジメン(計画書)の共通化、がん登録、治験・臨床研究などは、オール徳洲会で共通言語を用い、説明と同意を取る画期的なものです。

EBM(科学的根拠に基づく医療)の実践、NEWS(早期警告スコア)の導入、カリスマ経営からの転換、病院の新規開設・建て替え、公的病院の経営受託、民間病院のM&A、医療法人の一本化、そして今も続く新型コロナ対応――。

内外でさまざまな環境変化がありましたが、“生命だけは平等だ“、患者中心主義の理念は、私たちの共通言語として守り続けられています。私たちの使命は、生命を安心して預けられる病院を運営しながら、健康と生活を守る地域社会をつくることです。そこには患者さん、利用者さん、地域の方々、そして職員がいるのです。そうした人々が今まで徳洲会を支え、これからも徳洲会のパートナーとして伴走していただけると信じていますし、超高齢社会、人口減社会のなかでも、長い歴史を徳洲会は刻んでいけるはずです。

各ブロックに一つの医療大学 地域医療を学問として確立へ

今後、私たちに必要なのは教育機関だと考えます。各ブロックに一つの医療大学をつくり、知識・技術の勉強のみならず、理念の継承、また離島・へき地を含めた地域医療を学問として確立し、フィールドとして研究、情報発信を行う必要があります。これは、国内にとどまらないプロジェクトです。

今後の時代の変化は、人口ピラミッドが示すとおりです。しかし、私たちは変化を求め、変化を機会として捉え、意味あるものとする必要があります。現代では変化は常態です。変化はリスクにあふれ、楽ではなく、悪戦苦闘させられます。私たちは、この変化に果敢に立ち向かい、自ら変革の担い手になることが求められます。近代進化論の祖であるチャールズ・ダーウィンはこう言っています。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一、生き残ることができるのは変化できる者である」。

皆で頑張りましょう。

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