徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

宇治徳洲会病院(京都府) 院長
末吉 敦(すえよしあつし)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

末吉 敦(すえよしあつし)

宇治徳洲会病院(京都府) 院長

2021年(令和3年)12月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1317

128床の回復期機能もつ第2病院建設へ
高度救命救急センターなどの指定を協議
「患者さん・紹介医、職員、地域の三方よし」

当院整備の3つの指針と短期・中期計画は、すべての職員が目標を共有できるように電子カルテの最初の画面に掲示しています。3つの指針とは①急性期基幹病院としての完成、②若手医療人の育成拠点、③地域包括ケアシステムの構築です。

患者さん・紹介医によし、職員によし、地域によし──。三方よしの病院を目指してきました。近江商人の思想が源ですが、すべての企業に共通するコンセプトと思います。当院がある山城(やましろ)北医療圏には急性期の公的病院がありません。そのようななか、当院は民間病院ではありますが、2000年に地域周産期母子医療センター、12年に救命救急センター、15年に地域災害拠点病院、18年に地域医療支援病院、19年に地域がん診療連携拠点病院の指定を受けるなど、地域のほとんどの公的役割を担う病院に発展してきました。さらに現在、二次医療圏にひとつ指定が必要な第二種感染症指定医療機関を京都府と協議中です。

医療人として成長していると つねに実感できる環境づくり

①患者さん、紹介医によし:急性期基幹病院としての完成のために、さらに臓器別センターと、がんセンター充実を目指します。医療の質を上げて、地域の患者さんと医療機関の信頼を集め、受診いただいたり紹介いただいたりすることが重要です。

②職員によし:給料や待遇のみでなく、医療人としての成長を、つねに実感できる環境をつくり、当院に勤務していることが誇りに思えることが重要と考えます。若手医療人を育てられる病院であることが、当院の中期計画の大きなテーマで、若手医師の育成に力を入れています。現在、内科、外科、小児科、救急科、総合診療科、麻酔科、整形外科で、専攻医育成の教育病院に指定されています。産婦人科の基幹施設も目指しています。新専門医制度のなかで専攻医の教育基幹施設認定は難関ですが、京都府の大学病院以外では2番目、徳洲会でも2番目に多い教育基幹診療科数となっています。

③地域によし:高齢化社会で需要が急増する地域包括ケアシステムへの貢献も目指しています。厚生労働省は25年をめどに、高齢者の方の尊厳の保持と自立生活の支援を目的に、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。当医療圏では、すでに人口が減少しています。医療需要は25年にピークを迎えます。15年に比べ109%がピークです。ただ、介護需要は30年がピークで、15年比151%と需要は大幅に増加します。救急の実務を通じて、この地域に独居や、施設がなく行き場所がない高齢者の方が非常に多いと感じます。

厚労省は今後、さらなる高齢化社会を迎え、在宅医療の拡充を図ろうとしています。当院でも在宅療養支援診療所を開設する予定ですが、現実的には、在宅で人生の最期まで生活を維持できる方は少なく、施設の拡充も急務と思われます。

大きな病院も手漕ぎ船と同じ 全職員が力合わせ漕ぐ大切さ

当医療圏では医療需要が現状を上回っているため、今回、362床の病床の公募があり、当院はそのうち128床を得て、第2新病院の建設が決定しました。高度急性期を担う本院の増床も申請しましたが、回復期機能をもつ第2病院の病床が認可されました。地域包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟、介護老人保健施設を敷地内に建設します。23年度中の竣工を目指しています。また、透析室と健診センターの拡張、臨床教育センターの整備を目指し、管理棟の建設も決まりました。第2病院の建設で、駐車場が狭くなるため、立体駐車場を計画しています。高齢者の方が低料金で住めるサービス付き高齢者向け住宅も、近隣に22年度に竣工予定です。

15年に院長になってから立てた中期目標で、残すは高度救命救急センターとドクヘリの基地病院の指定となりました。いずれも京都府にはまだ整備されておらず、当院にはその能力がありますが、民間病院にはハードルが高く京都府と調整中です。

病院は人で成り立っています。大きな病院も小さな病院も手漕ぎ船です。職員全体が力を合わせ、方向性を決めて漕がねばいけません。漕ぐのは、あくまでも人間です。自分の意見が尊重され、新たな施設をつくってこそ、漕ぐ意欲が湧いてきます。皆で頑張りましょう。

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