
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)08月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1557 3面
TCLS(徳洲会二次救命処置)コースの受講者数が通算6,000人を突破した。7月4、5日、名古屋徳洲会総合病院を会場に開催した第216回TCLS名古屋コースに35人が参加し、受講者総数が6,027人と大台に乗った。第1回を開催した2002年9月から約24年。これからも継続して心肺蘇生技術の普及に尽力していく。
6,000人は通過点。これからも心肺蘇生法の普及を継続
安藤みゆき循環器内科部長(左)から修了証を受け取る塚原研修医
名古屋コースには名古屋病院に所属する歯科医師1人、研修医7人、歯科研修医1人、看護師23人、救急救命士1人と、グループ外の医療機関からも2人の看護師が受講した。
TCLSコースは、科学的根拠に基づいた心肺蘇生法の習得を目的として、徳洲会グループが主催。06年からは日本救急医学会の認定ICLS(心停止緊急救命処置)コースとして行っている。
参加者は講義や実技をとおしてACLS(二次救命処置)の概要、胸骨圧迫やAED(自動体外式除細動器)によるCPR(心肺蘇生法)の手順・方法、気道確保、気管挿管、換気、心電図の見方、除細動器と心電図モニターの使用方法などを習得する。筆記試験と実技試験を行い、合格者に修了証を授与。グループ内で開催希望病院を募り、年間10回程度催している。
06年7月に1,000人に到達後、09年11月に2,000人、13年7月に3,000人、16年10月に4,000人、22年12月に5,000人と、着実に修了者を輩出してきた。
今回、コースディレクターを務めた南部徳洲会病院(沖縄県)の清水徹郎・高気圧酸素治療部長兼救急診療科部長は「超規模、大規模病院では、すでにTCLSとは別に単独でICLSを開催できる病院が増えてきています。受講者数の多寡が重要なのではなくて、TCLSは救急蘇生コースを独自開催ができない施設へのお手伝いとして、存在意義があると思っています。その意味では受講者数は少なくても、離島・へき地での開催も積極的に行っていきたいと考えています」と、離島・へき地を含め今後も広く心肺蘇生法の普及に向け意欲を見せる。
続けて、「急性期病院の統廃合が進むのは止めようのないトレンドだと思います。そうしたなかで、救急対応がすべての職員の協力の下、速やかにできるように、職種を超えて受講していただき、病院全体の“チームとしての蘇生の能力”を向上させることが、今後求められることになるでしょう」と指摘。
「一方で離島・へき地では医師、看護師のマンパワーの問題がつねに存在します。地域の唯一の医療機関として病院のもつ“蘇生力”を向上させる意味は、都市部以上にあると思います」と離島・へき地でのTCLS開催の意義を強調する。
6,000人目の修了者となったのは名古屋病院の塚原万葵研修医(1年次)。修了証を受け取った塚原研修医は「教えて下さる先生方が、とても丁寧に説明やサポートをしてくださり、2日間充実した研修になりました。これまでは心肺停止の患者さんが運ばれてきても、蘇生の手順を理解しておらず、上級医の指示どおりに動くことしかできませんでした。これからは、救急外来(ER)でのCPA(心肺停止)患者対応時や、院内急変の際に、積極的にリーダーの役割を務められるように日々精進していきたいです」と意気込みを見せる。
また、名古屋コースのインストラクターを務めた石川雅・循環器内科医師は「受講生が楽しく受講できるように、また現場の小さな疑問を解消できるように指導しました。笑顔なども見られ、真剣に、また楽しく受講されているようで良かったです」と振り返り、「自院内での急変などの際はチームワークを発揮して、最速で最良の救命措置を行いたいです」と抱負を語った。
今回受講した他の研修医からも積極的な意見が多数聞かれた。「これまで自分にもできることをという姿勢でCPRに臨んでいましたが、今回の受講を機に、自信をもって行動できると感じました。今後に生かしたいと思います」、「大変有意義な講習でした。個人的に循環器系で急変した患者さんの対応には自信がありませんでしたが、今回の講習でそういったことを学べて良かったです」と、TCLSを受講し技術を習得したことで自信がついたという意見が複数上がっていた。
また、「ER診療でCPAは頻回に経験するため、コメディカルと共通の目標・行動指針を共有しながら学ぶことができたのが、非常に有意義でした」とCPRもチーム医療のひとつであることを意識した感想も聞かれた。
さらに、今回習得した技術の活用に関し「まずはERでのCPA患者さんの対応ができること。そして、より救命率が高いであろう院内CPAで、真っ先にリーダーを担えることです」と前向きな声に加え、「これまでは病棟での急変時にドクターブルーで呼ばれた際、何をしていいのかわからず、まわりの指示に従うだけでしたが、今後は自信をもって行動したい」、「ER診療やドクターブルーの際に積極的に診療に参加していきたい」と救命処置への積極的な参加の動機付けにもつながったようだ。
また、「ドクターブルーの際に何をすればいいか自信がなく、積極的に参加することができずにいました。今回、このような機会をいただき、対応の全体像を知ることができました。ここで得た知識をマスターして急変時対応に自信をもって取り組みたいです」といった声もあった。