
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)08月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1557 2面
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は、2023年12月に入職した藤井正一・外科統括部長を中心に外科の診療体制を強化している。「すべての患者さんを受け入れる」をモットーにしながらも、上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科、呼吸器外科、乳腺外科、腫瘍外科と専門性を強化して対応。今年4月には加藤弘・甲状腺外科部長が入職し、甲状腺外科もスタートしている。
「すべての患者さんを受け入れます」と藤井・統括部長(左)、加藤部長
甲状腺の内視鏡手術を行う加藤部長
湘南鎌倉病院外科は、かつての専門性に関係なくに疾患を診るという体制から転換し、すべての患者さんを受け入れながらも、各領域の専門性を極めるという体制づくりを進めている。藤井・統括部長は「断らない医療」という徳洲会グループの理念を基礎に置いていることを強調しつつ、「すべての領域を網羅したうえで、どの分野でも他院に負けない専門性を高め、質の高い診療を提供していきます」と狙いを語る。
専門分化を進める一方で、若手医師の教育にも注力。専攻医や研修医が幅広い領域を経験できるよう配慮し、トップレベルの専門医が指導にあたる体制を構築。また同院では、手術支援ロボットが近く3台体制となるが、若手にも早期から同ロボットを用いた執刀の機会を与えており、専攻医が初めから終わりまで執刀を担当する症例も増加している。
患者さんの治療を進めるにあたり、ロボット手術、腹腔鏡下手術、開腹手術を病状に応じて柔軟に選択。藤井・統括部長は「手術支援ロボットだけに頼るのではなく、緊急手術も含めて、どんな状況にもチームで最適に対処できるようにしています」と明かしたうえで、「若手育成でも同様に、さまざまな選択肢に対応できるよう、多くの経験を積ませたいと考えています」と力を込める。
また近年は、若手医師が学会で表彰されるなど、指導の成果が徐々に現れている。
多職種連携も活発だ。週1回の消化器カンファレンスに加え、4月に入職した市川靖史・腫瘍外科部長らと、月1回のオンコロジー(腫瘍学)カンファレンスも開始し、医師や薬剤師、看護師が難治症例の治療方針を活発に議論。
さらに、病棟看護師とのコミュニケーション不足を防ぐため、藤井・統括部長自らが病棟の看護師長らと定期的に意見交換する場も設けている。
また、4月入職の加藤部長を中心に甲状腺外科を立ち上げ、傷が目立ちにくい主に腋窩からの完全内視鏡手術を新たにスタート。周囲に重要組織が集中する甲状腺の高度進行がんに対しても、呼吸器外科や心臓血管外科などがそろう総合病院の強みを生かして挑む構えだ。加藤部長は「患者さんに最良の治療を提供するためには、専門家としての引き出しを多くもつことが不可欠だと考えます」と意気込みを見せる。
今後について、藤井・統括部長は「地域の開業医の先生や医療機関との顔の見える連携をさらに深め、患者さんを幅広く受け入れると同時に、論文執筆などアカデミックな活動にも若手医師が積極的に挑戦できる環境を整えていきたいです」と抱負を語る。