徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)07月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1553 4面

看護のチカラ
患者さんの思い受け止め
血液だけでなく心も浄化
Vol.6

岸和田徳洲会病院(大阪府)の辻本幸代・透析室看護師長を紹介します。透析看護認定看護師の資格を取得し、根拠のある透析看護を実践。専門的な知識・技術を駆使しながら、部署を管理すると同時に、いちスタッフとして心のケアにも注力し、患者さんやご家族をサポートしています。

辻本幸代 岸和田徳洲会病院(大阪府) 透析室看護師長(透析看護認定看護師)

透析看護認定看護師は、日本看護協会が設ける認定看護師資格の一分野。「安全かつ安楽な透析治療の管理」、「長期療養生活でのセルフケア支援と自己決定の支援」といった知識・技術が必要とされている。

看護師や臨床工学技士と透析室を運営

辻本・看護師長は透析室(34床)のリーダーとして同部署のマネジメントを実践し、所属する看護師9人の教育・指導や他部署との連携・相談業務などに対応。いちスタッフとしても活動。透析機器のプライミング(透析治療を開始するための準備)から、患者さんに対する穿刺・透析中の観察・抜針まで、透析時の対応はもちろん、依頼があれば保存期(透析導入前)の腎不全患者さんにもかかわり、透析導入を回避するための生活・食事指導を行ったり、治療が必要になった時に医師が示す治療方法について相談に応じたりしている。

何気ない会話から患者さんの思いにも気を配る

基本的に、認定看護師資格の有無で行える透析業務に差はないが、辻本・看護師長は「より専門的な知識・技術が得られたぶん、資格取得後は根拠のある透析看護が提供できていると実感しています」と強調する。

透析看護を専門に学ぼうと思ったきっかけは、入職前に勤務していた透析専門病院で聞いた患者さんの言葉。「患者さんから『生きたいけど、生かされたくないと思っている』と聞き、とても複雑な思いで治療を受けられていると思い、その時に透析や患者さんのことをもっと知りたいと思うようになりました」。

透析室の取り組みが徳洲会グループのQI大会(2023年)で受賞

その後、縁あって岸和田病院に入職。希望した透析室に配属となり、2013年に慢性腎臓病療養指導看護師、19年に認定看護師の資格を取得した。私生活でのイベントや学校が全国で東京に1カ所しかないことから、認定看護師は一時あきらめかけたが、当時の山上美恵子・看護部長(現・一般社団法人徳洲会介護事業部長)が背中を押した。辻本・看護師長は「面談で希望を伝えてから1~2年が経過し、ある時『あんた一体どうすんねん!』と、せっつかれて決意しました」と振り返り、「今では本当に感謝しています」と笑顔を見せる。「患者さんの思いを受け止められるのは、多くの時間を共有する私たち看護師だと思います」と辻本・看護師長。「スタッフには血液だけでなく、『患者さんの心の浄化もしようね』と伝えています」。

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