徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)07月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1551 2面

病気のはなし226
海外では承認取り消しの動き
血管炎治療薬

キッセイ薬品工業が販売している血管炎治療薬を服用した患者さん20人が、肝機能障害により死亡したことを受け、新規投与の中止が呼びかけられてから1カ月半、厚生労働省は同社に医薬品医療機器法に基づく報告命令を出した。

同薬の開発国である米国では、承認の根拠となった論文の信頼性に、疑義が生じたとの理由で撤回されたほか、薬剤自体の承認の取り下げも提案されている。また、欧州でも同様に承認取り消しの動きがある。国内では7月21日の同社からの報告と米国の動きをふまえたうえで、今後の対応を検討する考えだ。

同薬は顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症を対象とした経口投与薬。両疾患は免疫システムの異常により、全身の小さな血管に炎症が起こり、その血管が栄養を送る臓器に障害が起きてしまう国の指定難病で、炎症により障害された臓器の場所によって症状が異なる。ステロイドや免疫抑制剤を用いた薬物療法を行うことが多いが、それら薬剤による副作用が治療継続の障害となっており、キッセイの薬に期待が寄せられていた。

顕微鏡的多発血管炎の年間発症率は国内で18.2人/100万人、多発血管炎性肉芽腫症は2人/100万人で、ともに原因は不明。治療を行わないと生命に危険が及ぶこともある一方、早期発見・治療できれば寛解(症状の消失)も期待できる。

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