
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)07月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1550 3面
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は1月に伊藤敏明・院長補佐兼心臓血管外科統括部長を迎え、心臓血管外科の体制を強化した。伊藤・院長補佐は完全胸腔鏡下MICS(低侵襲心臓手術)の第一人者であり、同手術の定着と後進育成、地域貢献に注力している。
伊藤・院長補佐(中央)を中心に心臓血管外科の体制を強化
低侵襲な完全胸腔鏡下MICSを行う伊藤・院長補佐
完全胸腔鏡下MICSは、ダヴィンチで行うロボット手術よりも創が小さく、緊急手術にも対応できるのがメリット。また、直視下の手術は、患者さんの体格や骨の形で見えやすさが左右されるが、内視鏡であれば、つねに確実な術野が確保でき、難易度のばらつきが減る。3D内視鏡の導入により、よりクリアな映像で手術できるようになった。
手術の難易度は高いが、後進育成の際には「簡単なことから段階を踏んで覚える『スモールステップの法則』を応用しています」と伊藤・院長補佐。まずデモンストレーションを見せ、安全でやり直しの利く部位の切開や縫合から順に執刀を任せることで、「効率が良く安全に指導でき、若手医師の技術上達も格段に早くなりました」。また、徳洲会グループ病院に出張し、現地で指導を行う体制も整備している。
患者さんへの診療では、納得のいく「自己決定」を促す工夫を凝らす。入院日数や手術のリスク、合併症の可能性などを数値で記した説明用紙を自ら作成し、外来でそれを用いて説明。伊藤・院長補佐は「医療の内容を明確に示し、患者さん自身が理解して納得したうえで手術を受けるという治療を心がけています」と真摯に語る。
同時に、同院の診療科の垣根を超えた連携も強調。循環器内科とは合同カンファレンスを定期開催し、カテーテル治療とMICSの適応を相互に検討。信頼関係のもとで最適な医療の実践を融通し合っている。伊藤・院長補佐は「循環器内科だけでなく麻酔科との連携も良く、フラットなディスカッションが成立する環境で、非常にやりやすいです」とアピールする。
今後の展望として、学術面での存在感を高めることや、現在の年間約300例の手術件数を500例に増やすことを掲げる。さらに、インドネシアで進行している「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」をトレーニング拠点にしたい考えだ。