徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)07月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1550 3面

千葉西病院
医原性心房中隔欠損閉鎖術を開始
桃原副院長が実施医に認定され実現

千葉西総合病院は、医原性心房中隔欠損(iASD)に対する経皮的閉鎖術を開始した。これは、カテーテルアブレーションなどの施術にともない、心房中隔に開けた穴が閉じずに残る病態を、低侵襲に治療する手技。桃原哲也・副院長兼循環器内科主任診療部長・SHD(構造的心疾患)センター長が実施医に認定されたことにより可能になった。桃原副院長は、より安全な心房中隔を経由するカテーテル治療の提供を目指す。

「クオリティーの高い治療を行い、早く日常生活へ戻っていただくことが主眼」と桃原副院長

iASDは、右心房と左心房を隔てる心房中隔に開けた穴が閉じることなく残ってしまう病態。カテーテルを左心房側へ到達させる際に、心房中隔に穴を開けるカテーテルアブレーションやTEER治療(経皮的僧帽弁接合不全修復術)などで見られる。

治療終了直後に短絡量(正常な経路を通らず血液が流れる量)が多いと、低酸素や血行動態の悪化を起こすこともあり、その場でiASDを閉じる事態も起こり得る。多くは時間の経過とともに自然に塞がるか、問題ない程度に左右短絡が残るが、まれに右左短絡(静脈血が動脈血に混ざる)が残り、その血流量が多いと低酸素や循環動態の悪化、さらに静脈側にできた血栓が穴を通り脳の血管に詰まる「奇異性脳塞栓症」の恐れがある。

円盤状に開くデバイスではさみ込むようにして穴を塞ぐ

iASD閉鎖術は、この穴を塞ぐ低侵襲治療。円盤状に開くデバイス(AMPLATZER Septalオクルーダー)をカテーテルで脚の付け根の大腿静脈からiASDを経由して左心房に運び、右心房側と左心房側の両方からはさみ込むように留置する。5〜6mmほどの切開ですむため、患者さんの負担は小さく、多くは術後数日で日常生活に戻れる。CVIT(日本心血管インターベンション治療学会)によると、6月時点で施行可能な病院は全国に99施設。千葉県内では同院を含め4施設。

同院はTEER治療やカテーテルアブレーションをはじめ、経皮的左心耳閉鎖術(ウォッチマン)など、心房中隔を経由するカテーテル治療を数多く実施。桃原副院長は「万一、iASDが生じても、迅速にリカバリーできる一貫した治療が可能になりました。近く経カテーテル僧帽弁置換術の国内導入も見込まれ、iASD閉鎖術の重要性は今後さらに高まっていくでしょう」と展望する。

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