徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)07月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1550 2面

湘南大磯病院
骨盤臓器脱への手術スタート
地域唯一の婦人科として地域貢献

湘南大磯病院(神奈川県)は、婦人科で骨盤臓器脱(POP)に対する手術を開始した。POPは、骨盤底筋や支持靱帯の脆弱化によって骨盤内臓器(膀胱・子宮・直腸など)が下垂し、膣内あるいは膣外へ脱出する疾患。QOL(生活の質)を大きく損なう。同院は専門的な医療の充実を図りながら、より一層地域に貢献していく。

「気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください」と井上医師(左)、久保医師

POPは加齢や分娩、閉経などが発症要因。下垂する臓器により、膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤と病態はさまざまで、症状は「膣から何か出ている感覚」や、排尿障害、尿失禁、排便障害など。

手術の開始は昨年12月。井上裕美・産婦人科医師と、久保唯奈・同科医師が取り組んでいる。井上医師は昨年9月に着任、これまで長年にわたりPOPを含む産婦人科医療全般に従事してきた経験豊富な医師だ。久保医師は2023年4月から同院健診センターで婦人科検診を担当、さらに地域のニーズに応え24年4月、中郡(大磯町、二宮町)で唯一の婦人科外来を立ち上げた。同外来開設後、手術に先立ち、ペッサリー療法(膣内に装着する医療器具で、下垂する臓器を支える)に取り組んでいる。

「POPは婦人科のなかでも専門とする医師が少ない領域で、専門的な医療を提供する施設も少ないのが現状です。そのため他院で断られたり、治療困難と言われたりした患者さんの受診が少なくありません。当院は“断らない医療”を掲げ、一人ひとりの患者さんに合わせた治療を実践しています」と久保医師はアピールする。

井上医師は「当院の手術は、おなかを切らずに膣からアプローチする『膣式』を採用しています。身体的負担が少なく、入院期間が1泊2日と短いのが特徴です。ご高齢の患者さんが多いので、できるだけ病床にいる時間を短くし身体機能の低下を防ぐためです」と説く。今後は多職種と連携し、POP重症化予防に資する骨盤底筋体操などの機会提供も視野に入れている。

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