
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)06月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1548 3面
第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会が5月20日から4日間、宮城県で開かれ、徳洲会から5演題の発表があった。福岡徳洲会病院の離島支援の取り組みや研修医による口演、千葉西総合病院の頭頸部腫瘍センター設立など多岐にわたった。
継続的な離島支援の大切さを呼びかける田畑・主任部長
榊専攻医は短時間のコンクリート粉塵曝露による症例を発表
初めての全国学会での口演発表を堂々と行う得居研修医
頭頸部腫瘍センター設立の経緯や実績など報告する増淵センター長
福岡病院からは3人が登壇した。田畑貴久・耳鼻咽喉科主任部長は「奄美群島における耳鼻咽喉科外来の現状と離島耳鼻咽喉科医の必要性」と題し発表。奄美群島の島々には、一部を除き、常駐する耳鼻咽喉科医がおらず、非常勤医による外来診療が主となる。徳洲会グループの離島7病院を対象とした調査では、外来受診日が週2日から隔週2日と体制はさまざま。患者さんは75歳以上が31〜62%と多く、耳疾患が多数を占めた。
一方、咽喉頭疾患は少なく、疾患によってはドクターヘリで搬送した症例もあるなど、現状と課題を報告。継続的な離島支援の大切さを呼びかけた。
榊和哉専攻医(3年次)は「短時間のコンクリート粉塵曝露による急性喉頭蓋炎例」をテーマに発表した。建設現場でマスク未着用のままコンクリート粉塵を高濃度曝露、受診時に著明な咽頭痛と呼吸困難を認め、高度の喉頭蓋浮腫から緊急気管切開術を施行。ステロイドと抗菌薬投与により症状は速やかに改善した。「発症起点から短期間で喉頭症状が出現したため、化学性刺激による非感染性喉頭蓋炎が示唆されました」と強調した。
得居草太研修医(2年次)は「当院における先天性耳瘻管摘出術の術後成績」と題し発表。先天性耳瘻孔は耳介形成の途中で癒合が不完全となり生じる疾患で、女性に多い。同院では繰り返す感染例に全身麻酔下で瘻孔摘出術を行っており、発表では、2018年4月から25年10月末までに施行した28例(計32耳)を対象に術後経過を検討。再発が1例あったが、防止には瘻管の取り残しを防ぐことが重要であると強調した。
初めての全国学会での口演発表だったが、座長からの質問や聴者からの質疑にも堂々と応答し、実りある研修発表となった。
千葉西病院からは2人が発表。増淵達夫・頭頸部腫瘍センター長兼頭頸部外科部長は「地域中核病院での頭頸部腫瘍センター設立」がテーマ。25年3月、同院に同センターを新設し、耳鼻咽喉科とは独立して頭頸部腫瘍に特化した診療体制を構築。2026年3月末までの総手術件数は256件(うち遊離皮弁再建術52件、頸部郭清111側)、新規がん登録患者数は353症例という初期実績を示した。
櫛橋幸民・頭頸部外科副部長は「当センターで施行した気管切開症例の検討」と題し発表。同センターは、耳鼻咽喉科頭頸部外科医2人と歯科口腔外科医2人の計4人で診療を実施。25年4月から11月までの8カ月間に気管切開術を37例施行し、原疾患や手術時間、術後合併症の有無などに関し報告した。