
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)06月15日 月曜日 徳洲新聞 NO.1547 3面
徳洲会グループは5月9日、第111回日本消化器内視鏡学会総会に合わせ、横浜市で消化器内科部会第14回ENDO CLUB学術集会を開催した。出雲徳洲会病院(島根県)の結城美佳・消化器内科部長兼内視鏡センター長が当番世話人を務め、今回はENDO CLUBで初となるハンズオンセミナーと大腸内視鏡挿入選手権を実施。症例発表19演題や外部講師による特別講演など盛りだくさんの企画で盛り上がった。約50人の医師らが参加し研鑽を積んだ。同総会では、徳洲会はシンポジウムや会長特別企画などで計6演題を発表。
全国の徳洲会グループ病院から約50人が参集し研鑽
学術集会に先立ちハンズオンセミナー(手を動かして実践的に学ぶ体験型のセミナー)を開催。肛門から直腸・結腸までを模したトレーニング用の大腸内視鏡モデルを用いた。難易度の設定や各種センサーによる評価・採点が可能な高性能モデルだ。
「臨床に還元し患者さんに貢献していけるよう活発な議論を」と部会長の尾野院長
徳洲会病院の研修医や専攻医、スタッフ医師らが参加。結城部長と福岡徳洲会病院の仲道孝次副院長が指導し、出雲病院の駒澤慶憲・副院長兼健診センター長がサポートした。結城部長と仲道副院長は参加医師の横に立って、スムーズな大腸内視鏡挿入法のエッセンスを伝えた。
「若手の先生方にもっと大腸内視鏡に興味をもってもらいたい」と結城部長
企画した結城部長は「若手の先生方に、さらに大腸内視鏡に興味をもっていただくため、ハンズオンセミナーをプログラムに盛り込みました。出雲病院でも地域の先生方向けに開催している人気企画のひとつです。皆さん想像以上に上手でした」。
参加医師からは「ちょうど大腸内視鏡を始めたところなので、とても良い機会となりました」、「実際の検査では視界不良の時もあるのですが、スコープの進行方向がよくわかり参考になりました」と好評だった。
駒澤副院長は「皆さん熱心に参加してくれて、とても有意義なセミナーになったと思います。明日からの診療に生かしてもらえたらうれしい」と笑顔。
初の試みであるハンズオンセミナーは、若手医師の貴重なスキルアップの機会に
続いて、学術集会をスタート。部会長の尾野亘・神戸徳洲会病院院長が開会挨拶で「ぜひ臨床に還元し、患者さんにますます貢献していけるよう活発な議論をお願いします」と呼びかけた。
はじめに特別企画として、北谷病院(沖縄県)の仲間直崇院長が「24時間オンコールシステムのご紹介」と題して講演。徳洲会では独自のコミュニケーションアプリ「Chatis」を運用しており、これを活用して「それでいいよプロジェクト」と称し、離島・へき地医療を支えるための相談システムのパイロット版を4月下旬に救急領域から開始した。仲間院長は同プロジェクトを発案した経緯や実際の相談の流れなどを紹介した。
ENDO CLUB CUPチャレンジコースで優勝した李医師が手技を行う様子
また特別講演の講師として、Boston Medical Sciencesの岡本将輝CEO(医師)を招聘。「非侵襲的大腸がんスクリーニングAIシステムの開発と臨床展開」をテーマに発表を行った。これは、大腸CT(コンピュータ断層撮影)の画像をAI(人工知能)が解析し、便など腸管内の残渣を仮想的に除去することで、ポリープを見つける下剤のいらない大腸検査技術だ。徳洲会と連携し沖縄県で「OKINAWA Study」というコホート研究(集団を対象とする観察研究)を行う計画があることを明かした。
症例発表は計19演題。テーマは回腸神経内分泌腫瘍や菌血症、クローン病腸管切除術、空腸憩室出血、EUS-CDS、ERCP結石除去など多岐にわたり日常診療に基づく臨床知見を共有した。
次回当番世話人を務める札幌東徳洲会病院の前本篤男・副院長兼IBDセンター長が閉会の挨拶。「これからもグループ全体の消化器内視鏡診療の質向上のため、交流を深めながら部会を盛り上げていければと考えています」と抱負を語った。
懇親会では、ENDO CLUB CUPと称して大腸内視鏡挿入選手権を開催。若手医師対象の「チャレンジコース」、熟練医対象の「エキスパートコース」の二本立てで行った。大腸内視鏡モデルを用い正確さと速さを競った。モデルの採点機能による評価の結果、エキスパートコースは名古屋徳洲会総合病院の前田洋平・消化器内科部長が優勝、チャレンジコースは札幌東病院の李鵬IBDセンター医師が優勝した。
日本消化器内視鏡学会総会ではシンポジウム1演題、会長特別企画4演題、口演1演題を発表。シンポジウムに登壇したのは宇治徳洲会病院(京都府)の嘉祥敬宇・消化器内科医師。症候性巨大肝嚢胞に対する超音波内視鏡下経管腔的ドレナージ(EUS-TD)の有用性を検討し、「EUS-TDは症状のある肝嚢胞に対する効果的かつ低侵襲な選択肢となる可能性がありますが、熟練した技術が必要とされます。腹膜炎などの合併症が発生する可能性があるため、最小限の鈍的瘻孔拡張術が強く推奨されます」と英語で発表した。嘉祥医師は会長特別企画でも発表。
岸和田徳洲会病院(大阪府)の緒方俊介・消化器内科部長、名古屋病院消化器内科の吉良槙一医師と中村太亮医師が会長特別企画に登壇。宇治病院の横村明高・消化器内科医長が口演を行った。