徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)06月08日 月曜日 徳洲新聞 NO.1546 3面

5月度 徳洲会グループ 医療経営戦略セミ
谷・八尾病院麻酔科部長
最適なハイブリッド手術室提案
多軸床置型の透視装置設置を強調

八尾徳洲会総合病院(大阪府)の谷仁介・麻酔科部長は「民間病院における最適なハイブリッド手術室について~手術室運営を担当する麻酔科医からの提案~」と題し講演、手術室の効率的な運用について自院での工夫を紹介した。

自院を例に手術室の効率的な運用を説明する谷部長

はじめに、手術室の運営そのものについて自らの考えを示唆。安全性はもちろん、効率性にも目を向け、1件でも多くの手術を施行することが患者さんや病院運営にとって重要になることを指摘した。そのうえで自院の手術室に言及。とくにこだわった点として「部屋の数」と「資材対応」を挙げ、一般的には珍しい形で手術室を配置していることを図で示した。

具体的には、中央クリーンホールを囲むように“コの字型”で配置し、上階に中央材料室を設置。手術時はカートで中央クリーンホールに運び、術後はコの字の外側を囲うように整備している廊下から運び出すなど、動線にも配慮していることを説明した。

こうした環境の下、手術件数を維持・増加させるポイントを提示。手術室全体の状況が常時把握できるようにモニタリングシステムを導入し、術野や室内の情報などを中央クリーンホールと手術室、麻酔科医局などで共有、麻酔科医師と手術室看護師のリーダーがコミュニケーションを取り、手術室の空き時間を最小限にとどめている状況などを説明した。

また、手術件数の増加は、とくに手術室看護師数がカギになるデータがあるとし、手術室看護師の確保に努めるとともに、看護助手などを活用し、手術室看護師にしかできない業務に専念できる環境づくりにも取り組んでいることを説いた。

ポイントの最後に「先進・高度医療を提供していることの院内外周知」を挙げ、一例としてハイブリッド手術室やロボット支援手術を提示。ただし、高額な費用や使用にともなう制約、使用しない間の経費といった課題から、とくに民間病院では実施が難しい点を指摘し、このうち講演のメインテーマでもあるハイブリッド手術室の工夫を説明した。ハイブリッド手術室は、手術台と高性能透視装置を組み合わせ、空調設備が備わる手術室だ。

谷部長は、透視装置(天吊り型)を主とするタイプが一般的だが、①透視装置により通常の手術室とは違った空調設備となる、②患者さんのベッドが外科手術に適していない、③透視装置自体が部屋を大きく占有する――といった問題点を指摘。

同院では、すべての診療科が使用できるよう“手術室を主とし透視装置(多軸床置型)を備える手術室”とし、①手術室を主とするため、各設備の配置は通常と変わらない、②手術台が通常のもので外科系手術はほぼすべて行える、③通常手術でも使えるため、手術室運営を効率的に行える、④患者さんへのアプローチが容易。急変時に即座に対応できる、⑤室内の物品管理も行いやすい――といったメリットがあることを強調した。改修などにともなうコストが抑えられる可能性も示唆した。

ハイブリッド手術室を設置した後の手術件数が増えているデータも示し、「民間病院で理想的なハイブリッド手術室を実現するには、多軸床置型の透視装置の設置が必要と考えられます」と締めくくった。

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