
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)06月01日 月曜日 徳洲新聞 NO.1545 2面

一部のデトックスやダイエット広告などで恐ろしげに語られる「宿便」。長期間、腸のなかに滞留したり、腸壁にこびり付いたりする便や老廃物と言われるが、長崎北徳洲会病院の宿輪三郎・消化器内科医師は、「大腸の粘膜(上皮)は3~4日で代謝しますので、そもそも何年も腸にこびり付いたままの便は存在し得ません」と一般的なイメージとしての宿便はないことを指摘する。
サプリメントを飲み、便が排出されると宿便と称されることはあるが、毎日排便できていたとしても腸内に便は貯留しているため、それらが排出されるに過ぎないという。医学用語ではなく、俗語として慣用的に宿便性潰瘍、宿便性大腸穿孔などの言葉はあるものの、その「宿便」が意味することは慢性便秘。
慢性便秘の診断基準は排便困難感や残便感、兎糞状便などの症状が6カ月以上前からあり、3カ月は持続していることで、たとえ毎日排便があったとしても、同症状が続けば慢性便秘症と言える。慢性便秘は、いきみによって排便失神する危険性もあるうえ、循環器系に負荷がかかり、腸内細菌の変化により動脈硬化、心血管疾患の発症にも関連があるとも言われているため治療が必要だ。
「排便に困難を感じたら、サプリを試すのではなく、食事療法や整腸剤など薬物療法によって治療することをおすすめします」と、宿輪医師は消化器内科受診を呼びかける。