
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)05月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1544 3面
徳洲会外科部会は4月25日、札幌市で第4回学術集会を開催した。同23~25日に開かれた第126回日本外科学会定期学術集会に合わせた。部会ではグループ病院から5演題の発表に加え、外部講師を招聘して特別講演も実施。外科系の医師や研修医ら約40人が集まり研鑽を積んだ。日本外科学会定期学術集会では徳洲会グループから26演題を発表、徳洲会ブースの出展も行いPRに努めた。
全国の徳洲会病院から約40人の医師が集まって研鑽
肝細胞がんに対する薬物療法やロボット手術など解説する横尾教授
日本外科学会定期学術集会にLEDを用いたブースを出展しPR
徳洲会外科部会第4回学術集会の世話人を務めた札幌東徳洲会病院の萩原正弘・外科主任部長が司会を担い、冒頭、部会長の乘富智明・日鋼記念病院(北海道)院長が「グループ病院の先生方と知見を共有しながら、患者さんのために力を合わせていければと考えています」と開会挨拶を行った。
続いて東上震一・徳洲会理事長が登壇し、「徳洲会グループは全国に92病院を有する民間最大の医療集団になりました。このような規模と横のつながりを生かし、膨大な症例データを活用したデータベース研究などに取り組み、部会としての成果を上げ、さらには若い先生方に教育の機会を提供し、患者さんのために貢献してもらえたら、うれしいです」と期待を寄せた。
このあと、山下好人・徳洲会東京本部消化器外科ロボット手術特別顧問が登壇。グループ全体の胃がん・食道がん手術の治療成績向上を目標に、現地に出向いて手術応援や、ビデオクリニック(オンラインでの相談・症例検討サポート)の開始を周知した。Instagram(@tokushukai.yamashita)から予約を受け付けている。
症例発表は5題。演者は発表順に、宇治徳洲会病院(京都府)の藤岡祥恵・外科医師、野田総合病院(千葉県)の西川達也・外科医長、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の伊藤慎吾・外科部長、天使病院(北海道)の大場豪・外科・小児外科・乳腺外科主任部長、長崎北徳洲会病院の野中孝一副院長。テーマはライフイベントを考慮した環境づくりや、ロボット支援手術、タスクシフト・シェアなど多岐にわたった。
大橋壯樹・徳洲会副理事長が各演題を振り返りながら、「ぜひ、これからも外科の先生方で団結していただき、良い医療を提供していただけたらと思います」と総括。
特別講演は、旭川医科大学外科学講座消化器・移植外科学分野の横尾英樹教授が講師を務めた。肝細胞がん治療の変遷やガイドライン、各臨床試験の結果から薬物療法の治療成績など、さらに薬物療法後の外科切除介入についての考え方を解説。
さらに、同大学での予後不良な肝細胞がん群に対する薬物療法を融合させた外科治療の取り組みとその症例、治療成績などを提示。最後に、手術動画を供覧しながら、同大学でのロボット支援下肝切除術を紹介した。横尾教授は「自分に限界を設けずに、新しい技術に挑戦し続けることが、外科医としての幅を広げ、患者さんの予後改善に直結します」と参加者にエールを送った。
乘富院長の閉会挨拶で盛況裏に終了。続く懇親会では冒頭、大橋・副理事長が挨拶を行い、これからも仲間を増やしながら、量に加え質の向上に一層注力していくことの重要性を強調。萩原・主任部長の音頭で乾杯、参加者は交流を深めるとともに、施設の近況報告などを行い会場は盛り上がった。
日本外科学会定期学術集会では徳洲会グループは計26演題を発表した。内訳はシンポジウム、パネルディスカッション、サージカルフォーラムが各1演題、ワークショップ5演題、研修医も多数発表したデジタルポスターが18演題。一部を紹介する。
「災害医療と外科医-銃創・爆傷および戦災への準備と実際【International】」をテーマとするシンポジウムに登壇したのは、八尾徳洲会総合病院(大阪府)の池田知也・外科医師。「How surgeons should prepare for gunshot and blast injuries:From reluctance to readiness(銃創および爆破傷への外科医の備え:躊躇から準備へ)」と題して口演を行った。
池田医師は国際NGOを通じて紛争地域での活動経験があり、多数の銃創・爆傷治療にあたってきた。それらの経験をもとに、意思決定や止血・気道管理・胸腔ドレナージといった初期対応、銃創特有の特徴をともなう多発外傷に対するダメージコントロール戦略を解説した。
「集学的治療に基づく乳癌局所療法の展開と課題」をテーマとするパネルディスカッションでは、東京西徳洲会病院の佐藤一彦・名誉院長兼乳腺腫瘍センター長が「乳房温存療法におけるde-escalation戦略:センチネルリンパ節転移状況に基づく乳房部分照射と領域リンパ節照射の導入」と題して口演。
de-escalationは治療効果を維持しながら、患者さんの負担や副作用を減らすために、治療の強度や範囲を段階的に縮小・省略することを指す。約800症例を対象に検討した結果をふまえ、「MIB-PBI(マルチカテーテル小線源治療による周術期の乳房部分照射)やRNI(領域リンパ節照射)は良好な局所制御と予後を示し、本邦の乳房温存療法のde-escalation戦略の有用性が示唆されました」とまとめた。
徳洲会グループは会場の一角に巨大LEDパネルを用いた特設ブースを出展。パネルに動画を流すなど徳洲会グループの理念や活動について積極的にPRした。