徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)05月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1543 2面

病気のはなし219
食い止める難しさ
子どもの自殺

日本全体の自殺者数は男女ともに減少傾向にあり、2025年は統計を取り始めた1978年以来、初めて2万人を割り込んだ。一方で、小・中学生、高校生の自殺者数はコロナ禍に急増、日常が戻った後も高止まりしたままで、2025年で538人と過去最多を記録した。

生駒市立病院(奈良県)の芝朋子・小児科医長は、「人と触れ合うことが、いけないことだという教育が、何らかの影響を与えている可能性は高い」と、コロナ禍前と後では自殺の種類が違う可能性を指摘する。

対面ではなくSNSを通じてのコミュニケーションが中心となったことに加え、現代の傾向から「失敗を恐れるあまりチャレンジを控え、挫折からの立ち上がり方を知らない子どもが多い印象です」と芝医長。このため、大人から見れば些細な失敗でも、大事に捉えられがちだという。

自殺を食い止めるのに大切なのは、身近な大人が子どもと密にコミュニケーションを取ること――と言われるが、芝医長は、「自分は誰からも支えられていないという思いが、自死につながる子どももいますが、逆に親子関係は良好で、親に心配をかけまいとするあまり、ひとりで悩みを抱え込んだまま自死を選んでしまう子もいます」と、自殺を食い止める難しさを吐露。

いざという時のSOSの出し方がわからない子もおり、「失敗してもいい、一緒に乗り越えようというメッセージを送り続けることが大切です」と芝医長は訴える。

PAGE TOP

PAGE TOP