徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)03月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1536 2面

山形病院
新規開設の耳鼻咽喉科が好評
低侵襲な日帰り内視鏡手術を推進

山形徳洲会病院の耳鼻咽喉科が好評だ。昨年10月に二井一則部長が着任し、同科を新たに開設。慢性副鼻腔炎をはじめ多様な疾患の診療を手がけ、患者さんの負担をできるだけ低減するため、局所麻酔下での内視鏡による日帰り手術に積極的に取り組んでいる。高齢人口の増加に対応した嚥下訓練など、患者さんのQOL(生活の質)向上に直結する医療を通じ、地域医療に貢献している。

「患者さんのQOL向上に全力で取り組んでいます」と二井部長 鼻中隔湾曲症に対する内視鏡手術を施行する二井部長(左)

対応している疾患は慢性副鼻腔炎や鼻中隔湾曲症、アレルギー性鼻炎、難聴、中耳疾患、睡眠時無呼吸症候群、いびき、嚥下障害など幅広い。

「当院はCT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像診断装置)などの医療機器、耳鼻咽喉科用の内視鏡手術システムなど充実した設備を有しています。併存疾患への対応も可能な総合病院の強みを生かし、入院の受け入れや手術を積極的に行っています。耳鼻咽喉科で扱う疾患は“五感”に影響するものが多く、患者さんのQOL向上に全力で取り組んでいます」(二井部長)

とくに力を入れているのが、内視鏡を用いた低侵襲な日帰り手術だ。かつては副鼻腔炎などに対して、口内を大きく切開し骨を削るなど侵襲の大きな手術を行っていたが、現在は内視鏡手術で大幅に低侵襲な治療が可能となった。出血が少なく術後疼痛の低減や早期の社会復帰などメリットが多い。中耳疾患に対しても内視鏡手術を導入している。

一方、高齢患者さんや遠方に住む患者さん、不安の強い患者さんには、希望を考慮し日帰りではなく入院をすすめる場合もある。

取材で訪れた日には鼻中隔湾曲症に対する内視鏡手術を実施していた。これは鼻の穴を左右に隔てている中央の仕切り(鼻中隔)が極端に曲がり、慢性的な鼻詰まりやいびき、嗅覚障害などの症状を引き起こす疾患。薬物療法では根本的な治療が難しく、症状が重い場合は手術が必要となり、鼻の中の曲がった軟骨や骨の一部を除去する鼻中隔矯正術を行う。

指定難病の好酸球性副鼻腔炎の治療も多く手がけ、内視鏡手術を実施。重度の嗅覚障害や、粘り気の強い鼻水やポリープで鼻が詰まる疾患だ。近年登場した新しい治療法の抗体製剤(生物学的製剤)も駆使し、再発症例の治療にも取り組む。

高齢患者さんの入院も多いことから、誤嚥性肺炎予防のため、嚥下内視鏡を用いた嚥下機能の評価や、言語聴覚士と連携し嚥下訓練にも注力。可能な限り食事の経口摂取の維持を目指す。

前任地である県立病院から継続受診する患者さんをはじめ、口コミや地域の医療機関からの紹介により、県内外から患者さんが集まっている。二井部長は「患者さんは何かお困りごとがあって来院されますので、患者さんの訴えに耳を傾け、患者さんが納得できるまで丁寧な説明をするように心がけています」と強調。

「気になる症状がありましたら、ぜひ一度ご来院ください」と呼びかけている。

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