
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)03月23日 月曜日 徳洲新聞 NO.1535 3面
第56回日本心臓血管外科学会学術総会が2月21日から3日間、千葉県で開かれた。テーマは「“Experience. Expertise. Evolution”(経験、技術、そして進化)」。徳洲会グループは21演題を発表した。また、期間中に行われた「U-40 Challenger's Live Demonstrations 決勝」に岸和田徳洲会病院(大阪府)の小林将明・心臓血管外科医師が出場し2位を射止めた。主要プログラムでの発表を中心に紹介する。
中村副院長は多くのプログラムで登壇
多施設共同レジストリを報告する中山副部長
ロボット支援下でのMIDCABを発表する安元医師
千葉西総合病院の中村喜次・副院長兼心臓血管外科主任部長は、欧州心臓胸部外科学会と日本心臓血管外科学会のジョイントセッションに登壇。「Graft Insertion technique and Sutureless Valve-in-Graft for Redo Aortic Root Replacement After Mechanical AVR」(メカニカルAVR後に対するグラフト挿入法を用いたスーチャーレス弁への再置換術)と題し、一度、単独の機械弁大動脈弁置換術(AVR)を受けている患者さんに対し、グラフト挿入法を用い縫合不要の生体弁に再置換術を行った症例を報告した。
また、弁膜症をテーマとしたセッションでは「Graft insertion technique for redo root replacement」(グラフト挿入法を用いた大動脈基部再建術の再手術)と題し発表。以前発表していた手技をあらためて解説し、その後の中期成績を報告した。中村副院長は演者だけでなく、他の主要プログラムでも座長やコメンテーターを務めた。
弁膜症をテーマとした別のセッションでは、同院の中山泰介・心臓血管外科副部長が登壇。「Tota Thoracoscopic Left Atrial Appendage Occlusion Study in Lone Atrial Fibrillation - TT-LAAOS -(Japan Multi-Center Registry)」(孤立性心房細動に対する胸腔鏡下左心耳閉塞術に関する研究~TT-LAAOS~[日本内の多施設共同レジストリ])と題し、胸腔鏡下左心耳閉鎖術を実施した国内6施設(徳洲会グループは同院のみ)のデータを報告し、手技の安全性や再現性をアピールした。
同院の安元勇人・心臓血管外科医師は冠動脈をテーマとするセッションで「Clinical outcome of Robotic assist MIDCAB」(ロボット支援下MIDCABの臨床成績)と題し発表。ロボット手術技術の進歩により、自院ではMIDCAB(胸骨を切開せず、小さな切開で行う低侵襲の冠動脈バイパス手術)でのLITA採取(左内胸動脈をグラフトとして取り出す手技)をロボット支援で行っている状況を説明し、手術結果も良好であることを提示した。
スムーズな手さばきで吻合を進める小林医師
口演やポスター発表では、千葉西病院が6演題、名古屋徳洲会総合病院が3演題、八尾徳洲会総合病院(大阪府)が5演題、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)が2演題、札幌東徳洲会病院が1演題を発表した。
岸和田病院の小林医師が挑戦した「U-40 Challenger's Live Demonstrations 決勝」は教育プログラムとしての企画。40歳以下の医師を対象に、予選を勝ち抜いた6人が冠動脈バイパス術の吻合(ブタの心臓で疑似的に心拍動させるモデルを使用)クオリティを競った。会場の一室で手技を披露し、別室で審査員や総会参加者が見守った。審査の結果、小林医師は惜しくも2位。「優勝したいので、また1年間、努力します」とリベンジを誓った。