徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)03月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1534 1面

「患者さんのための見た目にも美味しい病院食」
3年連続グランプリ受賞の快挙
日本栄養治療学会コンテストで武蔵野病院

武蔵野徳洲会病院(東京都)は日本栄養治療学会(JSPEN)が主催した「第3回患者さんのための見た目にも美味しい病院食コンテスト」でグランプリを獲得、第1回から3連続グランプリという快挙を達成した。2月13日から2日間、「Innovation(変革)」をテーマに横浜市内で開催された第41回JSPEN学術集会で、同院を代表して土屋輝幸・栄養管理室副室長がグランプリ講演を行った。同学術集会では徳洲会グループから26演題の発表があった。

学術集会では徳洲会が26演題発表

賞状と記念品を手にする土屋副室長(右は司会を務めた名德倫明・大阪大谷大学薬学部薬学科実践医療薬学講座特任教授) 第3回グランプリを獲得した「食欲を取り(鶏)戻すごちそう薬膳」

同コンテストは、患者さんの健康を支える病院食の質向上を目的として2023年にスタート。第一次審査を通過した応募作品のなかから、JSPEN会員の投票によって審査が行われる。公平性担保のため病院名は伏せて審査する。

第3回のテーマは「患者さんに人気のメニュー! 笑顔を紡ぐ物語~」。武蔵野病院が考案したのは「食欲を取り(鶏)戻すごちそう薬膳」と名付けた献立で、「しらすと生姜の混ぜごはん」、「中華スープ」、「油淋鶏」、「たまごとトマトの炒め物」、「茄子の中華和え」、「台湾カステラ」で構成する彩りも鮮やかなメニューだ。

土屋副室長は「とても光栄です。院内では患者さんを対象とした嗜好調査によって、日頃から提供する料理に対する評価を受けていますが、今回のコンテストのような外部の目による客観的評価も大変貴重です。栄養価が十分であるのは大前提で、そのうえで患者さんにいかに召し上がっていただくか(喫食率の向上)、どう喜んでいただくかを念頭に、調理師や栄養士とともにメニューを開発しています。今後も特色ある取り組みを行い、一目置かれる病院としての地位を確立したい」と抱負を語る。

グランプリ講演で土屋副室長は食欲不振に苦しむ患者さんのために、「ひと口でも食べたい」と思える工夫が必要と考え、見た目・香り・食感を重視した「食欲増進のための薬膳」を考案したと説明。薬膳の基本的な考え方である“五味調和”を解説したうえで、「五感に寄り添う『食のデザイン』で心を動かすことが大切」と強調。一つひとつの料理の工夫点を紹介した。

漢方は支持療法の選択肢

第41回JSPEN学術集会で徳洲会グループはグランプリ講演に加え、ワークショップや口演、ポスターの各セッションで、計26演題の発表を行った。一部を紹介する。

ワークショップでは岸和田徳洲会病院(大阪府)の村山敦・歯科口腔外科副部長が「E-learningシステムを用いたNST勉強会、その現状と問題点」をテーマに講演。JSPEN認定のNST(栄養サポートチーム)稼働施設では全職員向けのNST勉強会の定期的な実施が要件となっており、同院はコロナ禍後、E-learningシステムで実施している。

受講率や実施後のアンケート結果を紹介したうえで「勉強会のテーマや内容について受講者からの評価は、おおむね良好でした。

一方、E-learning導入によって参加職種は増えましたが、全体の大幅な受講率上昇にはつながりませんでした。アンケート結果から、所要時間は1回20分を超えないようにすることが、受講者の負担軽減につながると考えられます」とまとめた。

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の伊藤慎吾・外科部長は「がんサポーティブケアにおける漢方と栄養の協調戦略」をテーマに口演。伊藤部長は、がんサポーティブケア学会漢方部会の部会員として、『がんサポーティブケアのための漢方活用ガイド改訂2版』(南山堂刊、5,500円、4月発行)のため、改訂作業に尽力した。

口演では悪性疾患に対する漢方のエビデンス(科学的根拠)などを解説。「がん支持療法としての漢方には『1剤で複数の症状に対する効果が期待できる』、『薬価が安い』、『倦怠感、食欲低下、末梢神経障害などに対するエビデンスが出てきている』、『重篤な副作用が少ない』といったメリットがあり、患者さんのQOL(生活の質)を支える選択肢になります」と呼びかけた。

仙台徳洲会病院の神賀貴大・外科部長は「Stage Ⅳ胃がん患者の予後予測因子としてのCRP-albumin-lymphocyte index(CALLY index)の有用性の検討」をテーマに口演。CALLY indexはアルブミン値、総リンパ球数、炎症マーカーのCRPを用いて算出する指標。

切除可能な胃がんの独立した予後予測因子になるという報告があるが、Stage Ⅳ胃がんでは報告がないため、福島県内のがん診療連携拠点病院9施設による多施設共同のコホート研究(疾病の要因と発症の関連を調べるための観察的研究)のデータを用いて検討を行った。「CALLY index 1未満の群は、1以上の群と比べて予後不良であると有意差が出たため、独立した予後予測因子であると言えます」と結んだ。

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